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調理を継ぐ者

ティソナ

[ティソナ]

キャラID
: ZV419-388
種 族
: ドワーフ
性 別
: 女
職 業
: バトルマスター
レベル
: 106

ライブカメラ画像

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ティソナの冒険日誌

2017-12-06 21:01:35.0 テーマ:その他

とある元神父なコンシェルジュシリーズ 「神父からコンシェルジュへ転職編 前編」

注意創作系

ほとんど何も見えない暗闇の中、僅かに揺らぐろうそくの炎が、俺と同行者の視界をわずかに照らしている。
じめっとして体全身を抑え込むような重い空気が、ここが地下室だと認識させる。
遺体安置所。
即座にザオを受けられる冒険者と違い、事故で死んだりモンスターに殺されたりした一般市民はとりあえずここに運び込まれる。
一般市民からすれば一生かかるほどの金額を寄付するかどうかで、ザオを受けられるかどうかが決まる。
ケチケチしないでかけてやりゃぁ良いのに、と常日頃からは思う。

まぁ、魔法の力とやらで遺体が腐らないのは悪くない。
この魔瘴が蔓延している時代、放置して腐らせるともれなくゾンビ化するかくさったしたい等のモンスターに成り果てる。
この遺体置き場が設置され、涙を流して喜んだ信者たちを見たのは実は数か月前だ。
何でもグランゼドーラからの技術供与されたもので、食料を保管する技術の応用らしい。

涙を流しながら嗚咽を漏らす声が聞こえる。お金を払えなくてごめんと自らを悔やんでいる。いや、悪いのはガメツい神でアンタたちじゃない。
俺の同行者は新品同様の退魔の帽子を恭しく外し、横たわる家族にすがる信者に声をかける。
祈りを捧げさせて欲しい。
整った顔と低い荘厳な声は、神父の素養の大事な商売道具だ。きっと出世するだろう。
横たわる遺体はモンスターに襲われたらしく、欠損が激しい。

祈りをささげる。いわゆるリホイミだ。欠損した箇所が修復されていく。遺体は御嬢さんだと分かる。
重要な部分が欠損していてはザオが効かないし、障害が残る場合もある。
なので遺体のメンテナンスも神父にとっちゃ大事な仕事だが、一瞬で治るホイミでは無く時間がかかるリホイミなのは信者たちに奇跡の力をよりわかりやすく見せるためだ。
安っぽいマントを外して、ほとんど裸になっている体にかけてやり、信者達に慈愛のこもった笑顔を向けているコイツも、大したエンターテイナーだ。
”心を込めました”という顔付の祈りが済むと、一礼して家族たちから離れる。
家族からせめて物お礼だと包み紙を手渡された。同行者は俺にそれを持たせたままにする。

家族の背中を見送った後、先に進む。家族たちの相手をするために地下に降りたわけじゃない。たまたま居たので営業活動をしたまでだ。
神殿の専売品の一つをうちの教会で預かれと、上の方から御達しがきた。
同行者はその使いで、若いエリートというところだ。
遺体が腐らないということは、どんなものも品質を変えずに保管することもできるというわけだ。
新鮮なうちにしか効果が無い代物でも商売になる。新しい技術なのに、頭が回るやつがいるものだ。

貴族たちの間で流行っている代物らしい。
鳥の羽一枚分の重さが、実に黄金のはなびら一枚で取引される代物だ。
効能は天国、キアリー一発できれいに戻る。が売り文句だ。
神の奇跡の魔法とやらが聞いて呆れる。

木箱を空け、エリートが保存状態を確認し満足そうな顔をする。
明日の朝には、受け取りのための騎士団がこの田舎に到着する。
いっそ、魔物が襲わないかな?
ともおもったが、騎士団が城に戻ってから報酬が受け取れることになっているのでやめた。

三日後、使者が無事にグランゼドーラに物が到着したとの連絡と共に報酬を届けてくれた。
ゴールドじゃなくて、別のコインを指定していたがきっちり守られていた。
報酬を受け取った俺は、持っていた証明書を引っ張り出し列車にのった。
ラッカランの地を踏みしめると、カジノやコロシアムなどの活気にあふれている。生き返った気分だ。
だが、その思いもあっという間に終わりを告げた。まぁ、そんなものだ。

教会の裏手にあるのは小さい墓。
小さな小瓶の蓋をあけ、墓に、交換したばかりのせかいじゅのしずくを垂らしてやる。
遺体を腐らせない技術があれば、せかいじゅのしずくがあれば遺体は綺麗に保存できた。ザオもできただろう。
それを知ったのは、ずいぶんあとのことだ。今さらどうしようもないことも。
もう、帰ってくることの無い。どうしようもない感傷でしかない。

カキン!シュボ。
慣れた手つきでジッポに火をつける。コイツに一発で火をつけることが出来るのは、俺の小さな自慢だ。
いつも持っている方の教会の専売品に火をともし、燻らせた煙に数年前のことに思いを載せようとしたとき。
「スカラベキング、サポに任せてたら死んじゃってた、テヘぺろ。」
あの騒がしい緑色の声が教会に響く。
「半額。。。。まかんない?」
コイツは・・・
最近、あいつの笑顔を思い出せていない。
だが、口元の笑みは隠せそうに無かった。
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