元祖つけ麺 サボテンへようこそ。
私が店長のサボテンだ。
ほう、君が弟子入り志願者だね。
結構。
今日は私がつけ麺の何たるかを手解きしてあげよう。
ところで君、つけ麺にとって最も大事なものはなんだと思う?
付けダレ、麺。
確かにそれらも大事な要素である。
だが、つけ麺にとって最も大事な物それは
「湯切り」だ。
つけ麺を作る者にとって、いかにキレ良く、ダイナミックに、無駄に大げさに湯切りをするかが最も大事なのだ。
つけ麺屋をやる理由は、派手に湯切りをして客にドヤ顔をするためだと言っても過言ではない。
では私が手本を見せよう。
湯切りはこう!
打点は高く! も◯みちに負けないくらい高く!
万感の思いを込めて叩きつける!
さあ、君もやってみたまえ。
違う! もっと腰を入れて!
遠慮しないで! もっと店内をビシャビシャにして!
ほら、私のズボンもビシャビシャになってるだろ?
ランチタイムだけで3回パンツを替えてるんだ。
良いつけ麺屋というのは、店内がビシャビシャになっているものだ。
さあ、お客さんもビシャビシャにするつもりで!
激しく!
レッツビシャビシャ!
ほお、いい湯切り具合だ。
これならすぐにでも暖簾分けしても良さそうだ。
え、スープとか麺とかの作り方は学ばなくてもいいのかって?
それは良いんじゃないかな?
私も本店から送られてくる材料をマニュアルに従って調理してるだけだし。
そもそも私道具職人だから、料理できないし。
>グランゼドーラ警備隊である! 盟友殿はおられるか!
くそ、王国の犬め! カミハルムイにまで来やがったか!
まだ充分稼いでねぇんだ!
私はズラかるぜ!
無免許で届出もしないでつけ麺屋をやっていたうっかり者のサボテンちゃん。
次はどんなアルバイトをするのかな?