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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2014-12-06 19:53:43.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~森は生きている(7)【レンジャークエスト、ネタバレ有】

 植物の朝は早い。太陽と月が束の間の邂逅を果たす頃、枝先の葉は光を求めてピンと葉脈を反り返らせる。
 大きなあくびと共に気孔が開き、葉緑体が目を覚ます。ああ、朝が来た。今日も今日とて光合成が始まる。
 私は枝を大きく広げ、空気をいっぱいに吸い込んだ。深呼吸。口も肺も無くても呼吸はできるのだ。
 森の生き物たちも少し遅れて目を覚ます。今日の一番乗りは、蝶の性質を持つマジックフライだ。蜜を求めてやってきたのだろうが、私が枝からぶら下げた実に蜜は無い。くちばしが触れると、弾けるように四散する。種子は風に乗って飛んでいき、運が良ければ芽を出すのである。
 次に来たのは、肉食のはずのオークである。どうやら喉が渇いたらしく、水場を求めてさまよっているようだ。彼は私の白い幹を見つけると一目散に寄ってきて、手に持った石槍で樹皮に傷をつけた。樹液が流れ落ちる。別名ウォーターツリーと呼ばれる白樺の特性をこのオークはよく知っているようだ。
 のどを潤し、オークは去っていった。傷ついた樹皮は少々痛むのだが、じきに治るだろう。近くに腕の良いレンジャーでもいれば、すぐに治療してもらえるのだが。

「悪かったな」

 柳の木がスネたように逆向きにしなった。
 私が白樺の木になって、はやひと月。レンジャー達と伐採同盟の奇妙な共同生活は続いていた。何しろ、動けないのだからいつでも一緒だ。
 呪いのためか、それとも持ち前の生命力のためか、季節の風をものともせずに様々な種類の木々が一斉に茂っている。
 傍らには場違いな金属兵士が倒れている。自爆の爆風と風雨により塗装が剥げて、普通のキラーマシーンになってしまった元、伐採マシーンである。森の怒りも流石に機械にまでは及ばなかったようで、事件の当事者としてはただ一人、原形をとどめている。……いや、逃げおおせた一人をあわせて二人か。
 動けない我々にとって、会話だけが暇つぶしの手段。騒めく木々。囁く森。樹海の中でも特に奇妙な地域となってしまったこの場所は、レンジャーと伐採同盟の会談会場となっていた。

「だいたい、レンジャーってのは何だ。自分たちだって木を切るし獣も殺すじゃねえか。なんで俺らはダメなんだ」

 揶揄するように同盟の男が言う。

「むやみには殺しません。必要な分だけです」

 ユウギリがレンジャー協会の理念を説明するが、納得した様子ではなかった。鼻で笑う者さえあった。この場合、花で、と言うべきだろうか?
 私はかつて読んだ物語を思い出した。
 山を住み家とし、獣たちを友として育った男の話だ。
 誰かが彼を笑った。獣を狩って食うくせに何が友だ、と。
 男に言わせれば、狩りもまた自然の一部である。獣が獣を狩るように人も獣を狩る。そうして自然の一部に溶け込んでいくことが彼にとっては、自然を友にするということだった。
 だが、町に住む者たちはそれを詭弁と嘲笑う。
 人は己の持つ地図の中でしか、他人を理解しないものだ。男はそう述懐したという。
 彼はやがて縁あってその国の王に仕えるようになり、才を見いだされ、王宮戦士となった。
 男の名はライアン。
 その名も今は伝説の一部である。

 ホイミスライムを友とし、一部では魔物使いの始祖とも言われる彼の資質は、山に暮らした時代に培ったものなのだろうか……
 ……ま、それは余談だ。
 ともかく、同盟の男たちにとってレンジャー協会という存在は非常に胡散臭く、独善的な組織に見えていたらしい。

「自然を大切に? ハッ、そりゃ、結構なことだけどよ」

 ギルドで聞いた話の通り、伐採同盟は住む場所を失った難民たちによる違法伐採組織だった。彼らにも養うべき家族がいる。

「森がそんなに大事か? 森を守るために飢えて死ぬか? 俺たちは家族の方が大事だね!」
「だが、むやみに森を切り開けば今度は魔物たちが住み家をなくす。森を追われた魔物は人家を襲うだろうぜ」

 レンジャーは単なる自然愛好家ではない。自然の脅威を知るからこそ、それを制御するために活動しているのだ。

「だったら魔物を退治すればいいじゃねえか」
「簡単に言うなよ。この森にはギガントドラゴンだって住んでるんだぜ」
「情けねえなあ。結局、魔物が怖いだけじゃねえか」

 同盟の男が空威張りして幹を揺らす。笑ったつもりなのだろう。

「恐れる、というのも知恵の一つだ。恥ずべきことではない」

 と、私も口を出した。レーノスは柳の葉を深くしならせた。頷いたということなのだろう。

「お前らに一つ、ためになる昔話を教えてやるぜ」

 レーノスは一つの昔話を語り始めた。
 レンジャーたちの間に伝わる有名な訓話だった。
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