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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-01-12 03:12:36.0 2015-01-17 17:00:35.0テーマ:その他

【2.4ストーリーネタバレ注意】なりきり冒険日誌~悠久の回廊・桃源(3)

◆                                                                    ◆ 「どうしても行ってしまうの?」

 と、最後に私を呼び止めたのは、勇者姫だった。いや、その幻か。

「はい」
「そんな、ひどい……」

 ぴくり。私のヒレが大きく揺れた。
 勇者姫を振り返る。美しい姫は胸元で祈るように手を組みながら、私をじっと見つめていた。

「そんなこと言わずに、ここで暮らしましょう」
「いいえ」
「そんな、ひどい……。そんなこと言わずに、ここで暮らしましょう」
「いいえ」
「そんな、ひどい……」

 ……うむ。伝統と格式にのっとった、実に律儀な幻である。こういうところは高く評価できるぞ。

「そんなところを評価されても困るのですが」

 勇者姫アンルシア……の姿を借りた何かが、白けた口調で肩を落とした。気のせいか、随分と疲れた顔だった。試練を与える側もこれで結構な労力を使うのだろうか。
 まったく、ご苦労なことである。

「よく誘惑に耐えました、先に進みなさい。貴方の求めるものは、もうすぐそこです」

 "試練"は厳かにそう宣言した。
 マデサゴーラも、この試練を乗り越えて霊核へと向かったのだろうか?
 カジノでのご満悦からすると、ここでも相当の時間を消費していそうだが……。

「かの者もここを通り、先に進みました。ですが……」

 "試練"は、アンルシアの目元に憂いの表情を浮かべて首を振った。

「彼はこう言ってこの世界を出ていきました。この程度では足りん、と」

 寒々とした風が吹き抜けた。

「あの欲望は強すぎます。どうか、お気を付けて」

 "試練"の声が私を見送った。
 私はふと、その声を、以前、どこかで聞いているような気がした。
 一体どこで……?
 脳裏に閃いたのは、あの決まり文句だった。

「これなるは、試練の門……」

 もしや……?
 振り返っても、そこはもう闇の彼方。勇者姫も白い砂浜も消え、あるのはただ星の輝きだけだった。
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