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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-04-25 17:40:10.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~強戦士たち(2/5)

 開けた空から乾いた風が注ぎ込む。足元には熱砂の大地。周囲は石壁に囲まれ、その壁の上には、観客席を埋め尽くす熱狂的な観衆の姿。
 ここはアラハギーロの闘技場。本来ならばムーニス王の援助の元、魔物使いカレヴァン氏が主宰する興行、モンスターバトルロードの会場となっているはずの場所だ。
 華々しく歓声を浴び、技を競い合う魔物使いたち……。
 だが、今、戦いに狩り出されたのは魔物達でなく、我々自身。そして我々に向かって牙をむくのは、屈強な肉体を誇る白と黒の破戒王だった。彼らの表情がはっきりと語っていた。ここは処刑場、罪人は貴様らだ、と。
 エクセキューショナーが、じわりと滲みよる。
 今や過去となったはずの光景が、我々の目の前に広がっていた。だが、戸惑いの声を上げるものは一人もいない。それが当然とばかりに、仲間たちは無言で武器を構えた。
 私もまた、武器を手にする。今は、戦いの時だ。  破戒王は凶暴な笑みと共にその巨体を誇示した。獅子のたてがみ、捻じれた角、蝙蝠の羽。剛腕から繰り出される鋭い爪の一撃は、簡単に我々の体を引き裂くだろう。
 だが、私は怯むことなく鬨の声を上げ、黒の破戒王に突進した。
 手にした得物は杖だったが、それでもいい。力任せに殴りかかる。毛皮越しに、鈍い手ごたえ。破戒王は振り向きもしない。かすり傷とすら呼べないような、微弱なダメージ。それでいい。
 仲間たちは私の攻撃を見て、黒の破戒王にターゲットを定めたようだった。手間のかかることだが、酒場で雇った冒険者たちには、こうやってリーダーが標的を示してやらねばならない。ターゲットコントロール! この戦いで、最初にやらねばならないことだ。
 だが、一息つく暇もない。本番はここからだ。
 黒の破戒王が、獲物をめがけて突進する。雇った冒険者たちにとっては、実に厄介な攻撃だ。バイキルトとフォースをかけたそばから、武闘家がなぎ倒される。私にできることと言えば、蘇生を試みる僧侶が、次に狙われないことを祈ることぐらいだった。
「こっちだ、こっちを狙ってこい!」
 私は手招きして破戒王を挑発した。
 狙いが私自身であれば、突進をよけることはそう難しくない。この戦いの勝敗は、いかに私が狙われるかにかかっているのだ。ターゲットコントロール・アゲイン!
 だが、戦況はそうそう思い通りには操れない。私の挑発も空しく、気紛れな破戒王は次々に狙いを切り替える。敵味方が入り乱れての乱戦。仲間たちは、起き上がっては倒され、そのたびに補助魔法もかけ直しとなる。そしてまたかけ直したそばから倒され……
 このままでは、じりじりと追い詰められていくことは明らかだった。

 私は意を決し、援護を捨てて黒の破戒王に忍び寄り、魔法戦士の奥の手、フォースブレイクを撃ちこんだ。破戒王の巨体がぐらりと揺らぐのを確かめると、次の瞬間、自らの魔力を解き放つ。
 加熱したエネルギーが出口を求めて上昇する。やがて耳鳴りと共に臨界に達し、爆音を轟かせて暴走する。魔力が渦巻き、嵐となって周囲を薙ぎ払った。額から汗が噴き出す、一瞬の虚脱。
 だが呆けている暇はなかった。
 破戒王がゆっくりと振り向く。
 魔法戦士にとって最強の攻撃手段である、フォースブレイクからのマダンテですら、破戒王を倒すには至らなかった。
 だが思わぬ反撃に、彼は大いに機嫌を損ねたらしい。私は挑発的な笑みを浮かべ、再び破戒王を手招きした。
「そうだ、怒れ! 私を追ってこい!」
 言われるまでもなく、癇癪持ちの破戒王は私を追いまわし始めた。
 これで、仲間の安全は確保できる。
 後は仲間たちが背後から、黒の破戒王を仕留めてくれるのを待つだけだ。
 怒り狂う破壊王から距離を取りつつ、ほっと一息。勝利は目前と言えた。
 それにしても、この形に至るまで、何度失敗を繰り返したことか……。マダンテが相手を怒らせるまで、味方が生き延びているという保証はないのだ。
 結局のところ、運だけが勝敗を支配するのか……?
 空しさが胸にまとわりつく中で、私の中の冷静な部分が私自身を叱咤した。何を勘違いしている、と。
「勝利が目的なら、こんな面倒なことはやっていない、はずだろう」
 そう、問題は勝敗ではない。
 やがて黒の破戒王が倒れ、その時点で勝敗は決した。
 再び、ページをめくる音がした。
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