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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-07-09 00:47:42.0 2015-07-09 00:58:39.0テーマ:【期間限定】七夕

なりきり冒険日誌~クジと景気とナタフェスと

 近頃、よく耳にする言葉がある。
 ナタフェス、という言葉だ。
 どうやら何かの祭りらしいのだが、詳細は不明。ただ言葉だけが広まっている状態である。
 だが、わからないならばわからないなりに、現状から推測することも可能なはずだ。
 ナタフェス、という言葉の響き。そしてこの言葉が流行り始めたタイミング。それらが意味することは、すなわち……

「粉砕の大ナタで嫌なものを粉砕しよう大フェスティバル、の略だと思うのだが」
「何故その結論に至り、何故それを私に訴えているのか皆目見当もつきませんが、ようこそいらっしゃいました、くじビギナーさん」

 販売員は極めて冷静な対応で私の挨拶を軽くいなした。  ここはヴェリナードの鉄道駅。階段の陰にひっそりと佇むのは、アストルティア夏祭りくじ、通称ハッピーくじの販売所である。
 件のナタフェスに備え、粉砕の大ナタをバザーに買い求めた私だったが、そこで待っていたのは最安値でも約20万ゴールドという厳しい現実だった。
 さすがに洒落で20万、ポンと出せるほど私は裕福ではない。せめてクジにでも頼るしかないではないか。

「……ま、当たるとは思わんが。これも洒落の内だ」
「記念ですからねえ」

 販売員は気だるげに相槌を打った。
 壁に張られたチラシには、特等から参加賞までの賞金金額が並んでいる。3等の200万、2等の1000万あたりはまだ想像できる金額だが、特等、6億という金は手にした瞬間、全てがつまらなくなりそうだ。過ぎたるは猶及ばざるが如し。中世エルトナの大将軍、トクガー・エーアスも言っている。

「まあまあ、心配しなくてもどうせ当たりませんよ」
「君がそれを言うな」

 実に正直な販売員だった。

「しかし、なかなか凝ったつくりだな」

 と、私は購入したクジを手に取った。表面には抽選番号と共に、美麗なイラストが印刷されている。このイラストは販売する街ごとに違っており、その街を代表する名士の姿が描かれているそうだ。
 我がヴェリナードでは勿論、気高くも美しい女王陛下のご尊顔、そして世継ぎであらせられるオーディス殿下の横顔だ。何故自分は選ばれないのか、と魔法戦士サロンに顔を出したメルー公がぼやいていた。
 ジュレットでは生意気にもヒューザの奴が選ばれたらしい。あいつめ、一匹狼を気取っている割にこの手の催しには積極的に参加するのだから、全くわからん奴だ。
 アズランでは怪獣プスゴンが、ガートラントでは何故か賢者マリーンが選ばれたとか……それでいいのか? 

「ところで……」

 と、私は顔を上げた。

「売れ行きはどうだ?」
「全然ですね」

 販売員は両手を広げた。

「そうだろうな……」

 ちょうど海から汽笛が響き、大陸間鉄道、大地の箱舟が到着したところだった。ドアが開く。ホームと階段を行き来する乗客たち。無数の足音が頭上から響き、そのまま遠ざかっていく。階段の陰に隠れた販売所に立ち寄る者は殆どいないようだった。

「何故こんな隅の方で売ってるんだ?」
「色々揉めたそうですよ、上の方で」

 販売員は両手を頭の後ろに回した。 

「景観がどうとか、風情がどうとか……」
「ああ……」

 なるほど。私は深くうなずいた。
 ハッピーくじの箱型販売所は、色を除けば各大陸共通のデザインとなっている。ラッカランじみた派手な電飾と、けばけばしい原色に彩られた数字たち。ヴェリナードの優美な町並みに調和するとは言い難い代物だ。まして駅は街の玄関口であり、顔である。もし、異国からはるばる訪れた旅人が最初に見たものが、この販売所だったとしたら……ぞっとしない話である。

「で、目立たない場所に置こうってことになったそうですよ」

 暇を持て余しているのか、販売員は饒舌だった。

「元々、目立つから駅に置くって決めたはずなんですけどね~」
「議論が紛糾すると、ままあることだな」
「私も大ナタでお偉いさんの頭を粉砕しちゃおうかしら」
「おいおい、私の仕事を増やさんでくれよ」

 私は肩をすくめた。どうせ粉砕するなら、ダーマのまつ毛あたりをお勧めしたい。あっちは管轄外だ。
 風の噂によれば、グレンのくじは既に完売だとか。バザー統一の際には色々と不安視する声もあったが、これを見る限りグレン経済はまだまだ安泰と言えそうだ。

「で、我が国の経済は……」
「あの人次第ですね」

 ヴェリナードの第二の女王、合成屋リーネにとっては、特等のクジもはした金にすぎまい。私は首を振って考えるのをやめた。上を見上げれば、首が痛くなるのが道理だ。

「ま、ひと月の間、せいぜい楽しませてもらおう」

 クジをケースにしまい、私は駅を後にした。販売員が手を振って見送ってくれた。
 これは冒険と冒険の合間の、ちょっとした一コマである。
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