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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-08-23 20:53:53.0 2015-08-23 21:05:56.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~ロード・オブ・ザ・ドラゴン(4)【注:3.0ストーリー・ボスに関する記述有り】

◆                                                                    ◆ 

 竜将は足を止め、新たな敵を待ち構える。奇襲ゆえか、決め技を使った疲れのせいか、かわせたに違いないその攻撃に、脚が動かなかった。
 大斧が上空より降りかかる。アンテロは腕を交差して受け止める……いや、受け止めようとした。だが今のアンテロは私の放ったフォースブレイクにより、理力のバランスを失っている。大斧の一閃が、あっさりとそのガードを突き破った。
 続く二刀流の剣士が重く鮮烈な連撃を浴びせかける。まともに喰らい、アンテロは初めて苦悶の声を上げた。
 とどめとばかりに、両手を掲げた魔法使いが巨大な火球を投げつける。アンテロの巨体が高く跳ね上がり、吹き飛ばされた。

「大丈夫ですか?」

 僧侶が私の胸に手を当て、癒しの呪文を唱えながら言った。私は震える片手でOKサインを作り、辛うじて笑みを浮かべた。
 この奇襲を成功させることが、今回の作戦における私の役割だった。彼らはかつて勇者の盟友として、あるいは各国の英雄として名を上げた選りすぐりの冒険者たちである。その力を最大限に発揮させるための、いわば囮を引き受けたのだ。

「あとは任せてください」

 そういって私の微笑みかけた後、僧侶は張りつめた瞳を油断なく戦場に光らせた。
 冒険者たちは追撃の手を緩めることなく、竜将を追い詰めていった。
 彼らは一流の中の一流だ。その言葉に甘えても、問題は無いように見えた。

 だが、それも……追い詰められた竜の武人が、最後の切り札を見せるまでのことだった。
 夕陽を背に、そびえ立つドラゴン。それはいにしえの竜王を思わせる雄々しくも荘厳な姿だった。
 人が竜に抱く憧れをなんと説明できるだろうか……。それは力の象徴であり、冒険の象徴だった。
 だがそれが牙をむいて襲ってくるとなれば、憧れてばかりもいられない。
 瀕死の重傷を負った竜将アンテロが唱えた呪文は、おそらく伝説の秘呪文、ドラゴラム。竜と化したアンテロはその暴威を振るい、アストルティアの民を迎え撃つ。
 私は傷ついた身体に鞭打って立ち上がった。冒険者たちは既に戦闘を開始している。
 苛烈な戦いだった。
 意思を持つかのごとくドラゴンを取り囲むのは彼が呼び寄せた巨大な雷であり、竜巻であり、火柱である。三つの守護陣が近寄る者を容赦なく打ち払い、巨竜はその口から全てを焼き尽くすような灼熱の吐息を吐き出す。
 巨翼を震わせ、大顎を威圧的に開きながら敵を焼き払うその姿は、まさに伝説のドラゴンそのものだった。
 私は可能な限りの後方援護に務めた。冒険者たちがどう戦ったのか、もはや詳しくは覚えていない。竜の放つ一撃を耐え凌ぎつつ、冷静に陣を打ち払い、粘り強く戦線を維持し続ける。一瞬のミスも許されない死闘が限りなく続くように見えた。
 二頭の飛竜が空からドラゴンをけん制する。私のソーラドーラと、冒険者の乗ってきた飛竜。三頭の竜が奈落の門に入り乱れ、雄叫びが空を焦がす。私は拾い上げた剣を掲げ、今ひとたびのフォースブレイクでドラゴンを狙う。冒険者たちはそれに合わせ、攻撃を仕掛ける……

 やがて冒険者の剣が竜鱗を穿ち、ドラゴンがその膝を折った時、空は宵闇に包まれていた。  こうして戦いは終わり、冒険者たちはその剣で時代の扉をこじ開けた。
 だが、連れ去られた人々は一足先に、門の先へと送られてしまった。アンテロですら、尖兵に過ぎなかったのだ。

 奈落の門。その先に、竜族の住む世界、ナドラガンドがあるという。いずれ、かの地に乗り込むことになるだろう。
 冒険者たちと顔を見合わせる。不謹慎だと思いつつも、互いに笑みがこぼれるのを抑えきれなかった。
 新たな世界。あのレンダーシアへ旅立つ前のような期待が胸に湧き起こる。
 空では月が呆れたような笑みを浮かべていた。太陽と月があと数度、入れ替われば、新しい時代がやってくる。
 門は静かに光を放つ。既に鍵は解かれた。扉が開かれる時は、もう遠くないのだ。
 物事が前に進む時、必ず戦いが起こる。ナドラガンドでも、きっとそうなのだろう。
 戦うことは愚かだと人は言う。だが戦う意思を持たないことはそれ以上に愚かなことだと別の誰かが言う。
 どちらが正しいのか、どちらも正しいのか。私にはわからない。言葉など、理屈など、いくらでも裏返る。
 ただいつか戦う時のため、剣を磨いておこうと思う。
 それが無駄な行為になることを祈りつつ、私はそう思うのである。
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