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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-10-15 21:39:09.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~水鏡の映すもの(2)【ver3.1に関する記述有り】

 手持ち花火はやがて湿って消え、燭台の炎も消えた。静寂だけが後に残った。
 何故だ。何故、扉は開かれぬのだ!?

「そりゃあね」

 呆れたようにリルリラが言った。

「そんな力技でいけるなら、トビアスさんがとっくに開いてるでしょ」

 ううむ、なんたる理不尽。間違いなく火はついたというのに。ナドラガ神も底意地の悪いことだ。
 恨めし気な視線を水晶は涼しい顔で受け流す。透き通った水の輝きが今は憎らしい。外では火が暴れて困っているというのに、ここでは火を点けられずに困るとは、なんという皮肉だろうか。

 私はじっと水晶を見つめた。どんなに睨みつけても、丸く歪んで映るのは、間の抜けた私の顔だけ……いや、待て?
 私は奇妙なことに気づいた。水晶をいくら眺めても、私の顔が映っていない。帽子は確かに映っているが、顔のあるべき場所が真っ白に染まっているのだ。
 これはどういうことだ……? 首をかしげつつ後ろ髪を撫でる。と、水晶に妙なものが映り込んだ。
 これは私の指か……?
 ……もしや。
 ある閃きが私の脳裏をよぎった。

「リラ、ちょっとこっちに来てくれ」

 私はリルリラに声をかけ、水晶、私、リルリラの順に一列に並ぶように陣取った。そして水晶に背を向け、リルリラの方を向く。

「どうだ?」

 エルフは少し背伸びして水晶を覗き込み、頷いた。

「うん、ミラージュの顔、映ってる。さかさまだけど」

 予想通りの回答だった。  水晶に背を向けた私の顔が、水晶に映っている。これは何を意味するのか?
 目に見えるものだけが真実ではない。
 私の背後に水晶があるということ自体、思い込みだとしたら?
 水鏡は嘘をつかない。今、水晶は間違いなく、私の顔を正面から覗き込んでいるはずなのだ。
 ならば、水晶の真の位置とは。火をともすべき燭台のある場所とは。
 私はリルリラを下がらせ、虚空に向かって火を差し出した。私の顔を覗き込む空白に。
 そこに真実がある。目に見えぬ燭台が。何らかの仕掛けにより、私の背後にビジョンだけを飛ばした実体が。
 炎が揺らめく。静謐なる空間に、手持ち花火の噴射音が静かに響き渡った。



 しかし、なにもおこらなかった。

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