目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

ミラージュの冒険日誌

2016-02-08 22:39:25.0 2016-02-11 10:15:09.0テーマ:その他

ショウほど素敵な商売はない(5)~なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

 青く染まったスクリーン。星辰の世界を模したその幕に、数えきれない綺羅星たちが浮かび、それぞれの色に輝く。
 宝石のように強く輝く一等星から、今にも消えそうな六等星まで。いくつもの星が流れては消え、また浮かぶ。
 カーテンに軽く手を触れると、夜空が歪む。星たちが波うち、うねりを上げる。微かな風に翻弄される銀幕の星たちを劇場に集う役者たちに重ね、私は深く目を閉じた。  メギストリス・コスモダンシングショーといえば、大舞台である。
 プラネタリウムを模したホールに、世の歌姫、踊り子たちが集結し、技を競い合う。
 特に若手の登竜門として広く知られており、人々は明日のスターを一目見ようと、期待に目を輝かせてスクリーンの夜空を見上げるのである。
 だが、星の世界は美しいばかりではいられない。そこは絶対零度に限りなく近い極寒の世界でもあるのだ。
 客席には人材発掘のために訪れる業界関係者も多く、目の肥えた客が多い。彼らは大根役者に容赦はしない。生半可な演技を見せれば、役者人生に残るダメージを負うことだってあるという。
 それだけに、今日の主役として抜擢されたクリスレイも、かなり固くなっている様子だった。

「先輩、先輩ならできますよ!」
「そ、そうよね。アタイ、やるわ!」

 リルリラが声援を送る。ラスターシャも強くうなずく。サルバリータは、愛弟子の肩に、静かに手を置いた。

「貴女のことは4つの頃から見てきたけど。今が一番いい時期よ」
「はい、先生!」
「貴女なら、あのプレシアンナをも超えられると思ってる。さあ、行って見せてきなさい。あなたの力を」
「はい!」

 やはり、プレシアンナを超える逸材という言葉は全員にかけているらしい。
 舞台袖から、固唾をのんで見守るリルリラとラスターシャ。
 サルバリータは瞳を閉じ、その表情は読めない。
 静寂の中に星がきらめき……
 そして、幕は上がった。  冷たい空気が流れた。星の中、汗をかくダンサー一人。取り巻く視線にため息が混ざる。
 素人の私から見れば、クリスレイの踊りは決して他に劣るものではないように思えた。だが……
 頬杖をついた観客の一人が失笑を漏らすのが見える。どうやら彼女のダンスは、目の肥えた客のお気には召さなかったらしい。
 クリスレイの顔に、焦りが浮かぶ。舞い散る汗に、冷たいものが混ざっているはずだ。

「先輩……」

 リルリラが祈りの形に指を組む。本職は僧侶の彼女だが、少なくとも観客の反応を見る限り、その祈りは神に届かなかったようだ。
 ついにブーイングが始まる。一度鳴り始めたそれは、やがて会場全体に伝染する。罵声の中、必死で踊るクリスレイの姿は滑稽なほどちっぽけで、風が吹けば消し飛んでしまいそうに儚く見えた。
 私の隣に……否。私と並んでいたラスターシャの隣に、サルバリータが音もなく歩み出た。
 そして一言、こう呟いた。

「あの子はもうダメね」

 リルリラが目を吊り上げた。

「まだ演技は続いてます!」
「そうね。でも、御覧なさい。続けば続くほど、どんどん悪くなる」

 サルバリータの言葉は残酷だが、紛れもない事実だった。
 動揺のあまり、素人目にもわかるほど動きが鈍くなり、脚も震え始めた。
 とうとう会場はブーイング一色となる。舞台上のクリスレイは、その圧力に押され、今にも倒れそうに見えた。

「あの子はプライドが高くて精神的に脆いところがある。ここから立ち直るのは無理よ」
「じゃあ、どうすれば……」

 リルリラが言い終えるより早く、サルバリータはリルリラとラスターシャの肩を強く抱き寄せた。
 目を丸くする二人を、彼女は真剣な眼差しで見つめ、冷たくはっきりとした声で言った。

「ラスタ、リルリラ。あなた達が行くのよ」

 二人は顔を見合わせた。私も同じ気持ちだ。今、まさにクリスリイが踊っている最中ではないか。

「あなた達が踊りを引き継ぐの。そういう演出だと思ってもらえるわ」
「でも……」
「あなた達ならできるわ。プレシアンナが目にかけているあなた達ならね」

 息が詰まるような力強い視線と腕に込められた力に、二人は身動きも取れない。
 辛うじて、リルリラが口を開く。

「でも、それじゃあ先輩は……」
「ショウ・マスト・ゴー・オン! 行きなさい、舞台が壊れる前に!」
「……リラ」

 ラスターシャはリルリラに目配せし、ゆっくりと頷いた。
 リルリラはクリスレイの方に目をやり……そして自分の相方に目をやり……瞳を閉じて、頷いた。
いいね! 10 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる