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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2016-12-10 22:42:58.0 テーマ:その他

遊泳都市(2)~なりきり冒険日誌【注:水の領界についての記述有り】

 扉を開くと、私の視線は光放つ水面へと吸いつけられた。ゆらゆらと波打つ、美しい水面。それを私は見上げていた。
 頭上に広がる海面、空のように光を投げかける青い天幕が街を包み、淡く揺れ動いてた。
 私の身体は街路灯を飛び越して高く浮かび、石畳と平行に泳いでいく。交差点を上から見下ろし、立ち並ぶ家々の2階の窓が真横に流れていくのを楽しみながら私の身体はゆらりと泳ぎ進んでいった。
 風の代わりに水流がそよぎ、水に混ざった気泡が優しく四肢を包む。
 と、一瞬、目元が暗くなる。見上げれば、天からの光を遮った影は雲ではない。魚群である。  沈没した街。ナドラガ教団の面々はこの海底都市をそう説明していた。かつて神の怒りに触れて水没したルシュカの都は、ある奇跡的な救済によって海底都市へとその姿を変えたのだそうだ。
 住居の多くは水没前の建造物をそのまま使っているようで、なるほど、水中都市の割に都市の造り自体は通常の都市と変わらない。
 だからだろう。地上にある普通の町の中を、ふわふわと泳いでいるような不思議な気分になる。
 これがもし海底に適応した独創的な建築様式に基づく都市の中だったならば、これほど心を揺さぶられることは無かったはずだ。

「これって、あの島で見たのと同じ家だニャ」

 と、ニャルベルトがすれ違いざまに屋根をつつく。確かに、この屋根の形は緑の孤島に横たわる遺跡のそれと全く同じものだ。  裁きを受け、水中に没したはずの都市がこうして健在であり、難を逃れたはずの人々が、今は滅びて草木の糧か。
 禍福は糾える縄の如しとは言うが……なんとも皮肉なことである。

 一瞬の瞑目の後、視界に飛び込んできたのは石造りの橋だった。再び口元が緩む。かつて川だった場所に架けられた橋の上を泳いで渡るのは、ちょっとした冗談だ。
 だが、待って欲しい。冗談というなら、これを歩いて渡る方がよほど冗談ではないか? 少なくとも私にはそう思える。
 奇妙なことに、この街の人々は街を泳いだりはしないそうだ。だから、私がこうして自由に泳ぎ回っているのは、軽いマナー違反なのである。
 この街を泳ぐのは、色とりどりの熱帯魚たちと、外からやってきた旅人だけ。今も、魚たちと競い合うように路地を泳ぐ冒険者とすれ違った。海に居て、泳がない理由があるだろうか。ウェディならばなおさらだ。
 だから、私にはこの街は奇妙に見える。石畳を歩く人々が、何かずれた生き物に見えるのだ。

 私は宿の屋上に辿り着くと、そのまま頭から階段に飛び込んだ。
 らせん状になった階段の吹き抜けを一直線に潜って2階に向かう。
 水中に並んだドアのうちから自分の番号を選んで張り付き、水圧で重くなった扉をゆっくりと開く。吸い込まれるようにして入り込んだこの部屋が、私の寝床である。

「戻ってきたニャー」

 ニャルベルトは泳いだ勢いのままベッドに飛び込んだ。
 真っ白な貝のベッドに納まったその姿はまるで真珠のようだ……と、洒落たことを言えればよかったのだが、私はどうも、このベッドにだけは馴染めそうにない。
 少し躊躇いながら、観念して床に就く。
 今にも口を閉じそうな貝殻に挟まれたベッドに身体を横たえると、まな板の上の鯉になったような気がして、私は思わず身震いしてしまうのだった。
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