クマヤンたちが慌てて城から出た。
「魔瘴を噴き出すゴーレム?」
一息ついたクマヤンはマユミたちに聞いた。
「そう!ゴゴゴゴって!」
「ただの魔瘴じゃないわ!ドルセリオンが吸いこんだ、
濃い魔瘴を体から噴き出しながら襲って来たのよ!」
マユミの代わりにぱにゃにゃんが説明した。
「魔瘴を噴き出す、ゴーレムなんて聞いたことないぞ!」
「濃い魔瘴か…だからかいりを引っ張りこんで逃げて来たのか」
ソーリスが謎のゴーレムに驚き、2人がかいりを必死に引っ張って来た事に
クマヤンが感心してると。
「どうしたの?」
おきょう博士とドルブレイブの5人が城から出てきた、クマヤンたちに駆け
寄ったその時。
ドカーン!
と轟音共に土煙が舞い城壁が崩れた。
「出てきちゃった!!」
マユミの悲痛な叫びが響き渡る中、破壊された城壁から魔瘴を漂わせた
ゴーレムが出て来た。
「何?あのゴーレムは!?」
「城に居たらしい。外まで追ってくるとはな…」
おきょう博士にクマヤンが説明した。
「兎に角、止めないとね。みんな!」
おきょう博士の言葉に、ドルブレイブの5人はすぐゴーレムに向かい戦闘が
始まった。
「おい!あの魔瘴は我輩でもヤバイんだぞ。大丈夫なのか?」
「魔界での行動とスーツには魔瘴耐性されているわ!」
おきょう博士はソーリスに解説した。
「だけど、想定以上に魔瘴の濃度が高いわね。計算が必要かも…ドルセリオン!魔瘴浄化装置パージ!ゴーレムを止めるのよ!」
おきょう博士の命令が、ドルセリオンに届くと背負っていた魔瘴浄化装置が
外れ、地面に砂煙を巻き上げながら落ちた。
「あれなら魔瘴は大丈夫かのう」
「魔瘴の中にでも問題無いように、耐性コーティングしてあるからな」
おきょう博士から魔界に来る前に、説明された事をみみみっくにクマヤンは
言った。
「ドルセリオンになれれば英雄として立ち向かえるのに…」
「のにー」
かいりが羨ましそうに、ドルブレイブの戦闘を見ながら呟くと、マユミが後に
楽しそうに続いて言いぱにゃにゃんがやれやれと首を振った。
「不味いわ…計算したらあの濃度の魔瘴にスーツが耐えられるのは後、
3分ぐらい…」
「えー!どうするの!?」
「時間内に倒すしかないな」
「そう簡単には行かなそうじゃ」
ぱにゃにゃんとクマヤンの会話に、みみみっくがゴーレムとドルブレイブ達の
戦闘を見て感想を述べた。
ドルセリオンは同等の体格のゴーレムを正面から抑え、ドルブレイブたちが
攻撃を仕掛けてるが効いている様には見えなかった。
「魔瘴に阻まれているのか?」
魔界で見掛けた、魔瘴によって強くなったモンスターを思い出してクマヤンは
そう考えた。
「システムO.O.B!!!!」
セ~クスィ〜が新必殺技をゴーレムに放つと、覆っていた魔瘴が吹き飛び
はっきりと姿が見えた。
「あれは!?」
「デモニウム鉱石か…」
クマヤンがゴーレムの体を見て材質を言った。そのデモニウム鉱石で出来た
体は自ら吹き出す魔瘴で見えなくなった。