新しい家具入荷してないかな~。
家具屋でいろいろ物色していると、プクリポの女の子が豪華な家具を眺めていた。
深いため息をついていたので、思わず声をかけてしまった。
「いえ・・昔はこんな家具に囲まれた家に住んでて・・・」
訳ありな雰囲気を感じて、それ以上きけなかった。
「アタシんちこの近くなんだ~。よかったら来ない?」
元々高貴な家で生まれ育ったけれど、気づいたらプクレットの村にいたこと、
やっとこさ大陸間鉄道に乗ってジュレットの町にたどりついたこと・・・
ユキはワイン、アタシはビールを飲みながらお互いにいろんな話をした。
「よかったらさー、ウチを寝床っつーか、旅の足場にしてくれていーよ」
ひとりで住み慣れた土地を離れた寂しさは、アタシにも分かる。
「ありがとうですわ。じゃあ、寂しくなったりしたら、泊めてもらってもいいかしら」
「もちろん!」
「あ、ときどきドワーフの男が出入りするかもしれないけど、気のいいヤツだから。」
「まぁ・・・恋人さん?」
「まさかwww 単なる幼なじみだよ」
「・・・・・・・。
昔はさ・・・なんでもアタシの方ができたんだ。
子分みたいにアタシとチャジロの後ついてきてたんだけどね・・・」
ひとり言のようにつぶやいて、残ったビールを飲み干した。