朝からソワソワがおさまらない。
グレン城に呼ばれている。
グレンの採掘は、グレンの人々の手によって改善の一途をたどっていた。
取引商のイジウスさんと手配した、アクロニア鉱山で使っている採掘道具も好評だった。
「よ!今日はトンの晴れの日だな」
「まさか、こんな日が来るなんて・・・。オイラはただ自分にできることを・・・」
「あはは!謙遜すんなって。トンのおかげで、今のグレンの採掘があるって言っても過言じゃねぇ」
「い、言い過ぎっす」
お城に呼ばれたついでに、武器鍛冶ギルドを訪ねる。
みんな口々にお祝いの言葉をかけてくれた。
本当に、こんな日が来るなんて思ってもみなくて・・・照れくさかった。
「グレンの採掘改革に多大な貢献をしたトンに、キーエンブレムを授ける」
「ありがとうございます!」
バグド王から受け取った黒のキーエンブレムが、手のひらの上でキラキラ輝く。
込み上げてくるものを抑えきれず、視界がぼやけた。
階段を下りると、武器鍛冶ギルドのみんなが集まってくれていた。
「今日はトンのお祝いだ!派手に飲むぞ!」
「いえー!」
武器鍛冶ギルドマスターのラセドさんの掛け声に、みんなが呼応する。
最初は全然自信なかったけど・・・・
がんばってよかった!
たいへんだったこと、うまくいったこと・・・いろいろ思い出話をしながら、
朝までみんなと騒いだ!