親方は、本当に喜んでくれた。
「キーエンブレムを手にしたことよりも、
お前はこのアクロニア鉱山で培ったさまざまな知識や技術で、グレンの人たちを幸せにした。
オレはそれが何よりうれしい。お前を誇りに思う。」
親方の言葉に、必死にかけずりまわった当時を思い出す。
がんばった自分、よろこんでくれたグレンの人たち、そしてオイラを育ててくれた親方の笑顔・・・
こぼれそうになる涙をふいて、答えた。
「オイラ、アグラニの町で育って本当によかったです!」
長旅の話はなかなか尽きなくて、気づくと夕方になっていた。
そろそろおいとましようと思ったとき、親方が思い出したように言った。
「そうだ・・・チャジロに会ったか?」
「いえ、まだです。」
「あいつ、ちょっといろいろあってな・・・。よかったら元気づけてやってくれ」
親方の顔が少しくもったのが気になったけど、とりあえず何もきかなかった。
チャジロに会うし、チャジロにきくのが一番!