今日は、何にもする気がしない。
ベッドに横になったまま、ふとんをかぶる。
こんな日は、あったかい部屋で誰かの楽しい話でもききたいな。
少し前に、うさんくさい旅の商人につかまされた古いラジオ。
神カラクリの技術を応用したとかなんとか言って、何にも聞こえない。
バンバンたたいて、つまみをぐるぐるまわしていると、雑音に交じって誰かの声がきこえた。
「・・・次のテーマは・・・」
お?
声が鮮明になるように、合わせてみる。
「こんなドルボードは嫌だ。『乗ると教会でおはらいするまで降りられなくなる』」
ぶっww
やだー、そんなドルボード!
「ポランパンさんの影響か、レンジャーはダジャレ好きが多いようです」
あはは♪
なんか楽しくなってきて、ラジオのおともに屋根裏からおやつを取り出した♪
「好きな職業とその理由。今の時点で、まもの使いの投稿がありません!」
ええーーー!そーなの!?
「『戦士なら戦死せんし。なんつってwww』」
「この方は、レンジャーなのではないんですかね・・・」
ぶはっ!
おかしくて、とこなつココナッツを吹き出してしまった・・・。
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「ジュレットの桟橋近くに、クーちゃん来てるみたい。会いに行かない?」
「んーー。後で行く」
夕方に、ユキが訪ねてきたけど、ちょっとラジオが聴きたかった。
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「次はウェディ女性ユナティさんからの投稿です」
「『来年順位を上げるには、もう水着を着るしかないのかな』」
ユ、ユナティさんが水着!?
ぽわ~ん・・・♪
「ヨカゼさんをエルフの男性と紹介しましたが、正しくはエルフの女性でした。
訂正して、お詫びいたします」
ぷぷww
だめじゃん、間違えちゃ!ステキなお名前なのに!
「『ジュレリア地下廃坑の天井を見上げると何かいる』」
そーなの!?きょ、きょわい・・・。
初めて聴いたラジオは、たくさんの楽しくて面白い話を流して・・・
「いつかまたどこかで」
この言葉を最後に、聞こえなくなった。
また、聞こえるかな・・・。
汚れていたところをちょっと拭いて、ベッドの下にしまう。
なんか、元気出てきた!
住宅村を飛び出し、桟橋を渡った!