「あなたの一番大切な宝物と皮が燃えています。どちらの火を先に消しますか」
「ぬぬ・・・。た、宝物です」
「トンさん、あなたは合格です」
「!!」
マスターの真意が分からない質問になんとか答えたあと、採用が決まった。
皮装備の良さを広めていらっしゃる庄やさんが経営するバー『皮舞和利』。
最近、戦士の仕事にあんまりありつけなくて、酒場で貼り紙を見てお店に足を運んだ。
接客なんてはじめて・・・。
持ち場を指示されて、緊張しているオイラに、マスターが安心のひとことをくれた。
「大丈夫!お客さんそんなに来ないから♪」
ほ・・・
って、がんばらないとっ!
心強い仲間もできた!
いっしょに採用になったドワーフの男性、ドワワッパさん。
帰りに声をかけてくれて、とってもうれしかった♪
皮のよろいをオシャレに着こなしていて、説明会でもマスターのお話を熱心にきいていた。
次の日、マスターから制服案のお知らせが届いた。
「マスターハットにマスターベスト・・・皮のズボンかぁ」
旅人バザーでさっそくそろえる。
「ブラックリリィ高いなー・・・色は自由って言ってたし、節約しちゃお♪」
メギストリスの染色屋に行って、制服完成♪
さっそくお店に見せに行くと、ちょっとカウンターに立たせてもらえることになった。
「おしぼりどうぞー♪」
ふふ、気分が高まってきたぞ。
「ドリンクはどんなメニューがあるんでしょーか」
「皮をひたした水で作った、自家製のお酒『ヒスイ』があります」
「おつまみは、何があるのでしょーか」
「枝豆の・・・皮。あとは、焼き鮭の・・・皮」
お店のコンセプトにぴったりのメニュー!覚えなくっちゃ!
初出勤は再来週!
今からもうどっきどき。
そうそう、この合言葉も忘れちゃいけないな!
「ジーク・レザー!」