提案門広場を見ていると、しばしば「これはドラクエではありません、本来のドラクエがやりたいです」という意見が出る。あたしはこれがよく分からない。いったい本来のドラクエってなんだ?
1人でやるロールプレイングのスタイルが、本来のドラクエなのか? いや、それはお前の心の中のドラクエなだけだろって思う。もっと言えば「以前の1から9までのドラクエだろ」って思う。だから「1から9までのドラクエに戻して下さい」と言うならまだ分かる。だけど「こんなものはドラクエじゃない」というのはあきらかにおかしい。
結論から言えば、あたしは「堀井雄二がドラクエとして作ったものは全てドラクエ」なんだと思う。そこに本来もなにもない。ドラクエをオンラインで作りたいというのは、堀井さんは昔から言ってたことだ。だから堀井さんの認めた10は立派なドラクエだと思う。だからもし堀井さんが引退して誰かが新ドラクエを作ったら、それはもうあたしの中ではドラクエではない。
あといまだに分からないのは、スタンドアロンのRPGとオンラインとを「同じ文脈で語る人」の多いこと。そもそも売って終わりのゲームと、売ってから会員をどう維持していくか、さらなる新規参入者を呼び込むことが鍵になるオンラインとでは、商売の手法が全く違う。それぞれのゲームの優位なところだけを持ってきて、比較されてもねえ。
毎回変化して、レアアイテムが落ちているダンジョン? それは「風来のシレン」だろ。複数のPTで大討伐がやりたい? それはモンハンだろ。ちょっと考えただけだって、大討伐なんか、いまですらドレアムとかラグが酷かったのに、ドラクエの相撲システムじゃ難しいの分かるでしょ。シレンなんか、それだけでひとつのパッケージで商品として成立するくらい高度に完成されたレベルのシステムだよ。
ひとつのゲームに自分が好きな全てを求めるのって、ディズニーランドに行って、温泉がないからつまらん、アウトレットがないから飽きるって言ってるみたいだ。