俺だ。
俺だよ。俺だ。
ライノソルジャーだ。
ジュイは日記を書くための右手が粉砕骨折して死んだ。太く短いオシャレ道だったが、ジュイも幸せだったんじゃあないかな。
だが、ジュイが死んだ事にも気づかない頭モーモンバザーな仲間から、バトンとかいうやつが届いていたんだ。
しかもな。内容が。
ドレアバトンだと。
なーにがドレアだ。
だいたい、俺はドレアって略し方が嫌いなんだよ。
軟弱なんだよ響きが。
「今日のあたしのドレアどうかな~♪」
「うんうん、キマってるキマってる♪」
なぁにがキマってるだ。キマってるっつったら薬をやってるやつって相場が決まってんだ。
そういやホイミスライムの野郎が人間どもに連れていかれてキマったような顔をしてたが、ありゃなんだろうな。
俺には関係ないがな。
でだ、ドレアバトンな。俺の言葉で置き換えさせてもらうと鎧バトンだな。
鎧バトンを託された仲間の日記を読んでみたんだが、あれだろ。
自慢の鎧を見せつけたらいいんだろ。
かんたんじゃねぇか。
ジュイの遺影ならある程度残ってるぜ。
そこにも問題があってな。あいつカメラマンとしては三流もいいとこでな。ろくな写真じゃあねぇ。
でもまぁ、せっかくだしな。
見てやってくれや。
全身が映っている最古の写真だ。
風景写真といってもいいかもしれないな。
ジュイも緑で溶け込んでるしな。
着てる服はウエスタンブラウス、麻のパンツだ。似合ってるかどうかもわからねぇだろう?なんでセルフポートレートを遠景で撮ったんだろうな、あいつ。
続いてはこれだ。
ワイルドベレーにマスターベスト、マリンズボンと大賢者の靴だったかな。
バレンタインが終わってからわざわざこのセットを作っていたので、まわりのやつらに「おそっ」と言われていたらしい。バカなやつだ。
しかもそのために俺に何度も喧嘩をうってきやがった。俺が鎧の中にワイルドベレーを隠してるなんてどこで知ったんだろうな。
あ、ちなみに左にいるやつじゃあないぞ。
そいつはジュイの仲間だ。
しかし、やはり遠景だな。
最後はこれだ。
プクリポのいい服とイヤーマフだ。
足は見切れているし、その悲しげな顔はなんだ。何を思って撮影したんだ。
もう写真が貼れないのでこれで終わりだ。
最新の鎧はナース姿なのだが、写真は1枚もなかった。残念でならない。
おっと、バトンだったな。
このバトンはゼルダの伝説のように森の奥に埋めておく。
我こそはと思う勇者は引き抜いてみるんだな。
資格がないやつには抜けないけどな。
じゃあ、あばよ。