昔々・・
あるところに、それはそれは立派な洋館が建っていました
そこでは毎日のように舞踏会がおこなわれ
大陸中の貴族の社交場になっていたのです
洋館の主には、それはそれは麗しき姪っ子がおり
貴族達の間でも評判になるほどの美しき娘でありました
娘はいつか私も舞踏会で踊りたいと、毎日夢見て過ごしていました
数年の時が過ぎ・・・ついにその日がやってきたのです
いえ、やってきてしまった・・・というほうが正しいのかもしれません・・
その日は娘の18歳の誕生日
ついに憧れの舞踏会デビューの日
貴族のご子息たちも、誰がハートを射落とすのか
その日が近づくにつれて、娘の話題でもちきりになっていました
娘は憧れの舞踏会に出れることが嬉しく
ドレスルームにも祝福の声があふれていました
そしてもう間もなく舞踏会が開催される時刻になりました
そう・・・舞踏会が開催されるはずだったのです・・・
あの惨劇が・・・
あの惨劇さえなければ・・・