「ーーはっ……はあっ…っ!」
古廊に荒い息づかいが聞こえる。
「な…なんとか、はぁっ……っ」
瀕死の体にむちをうち、祭壇へと向かおうと立ち上がった。
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「…………く……!」
まずは、癒さなくては。
まおんたちに知らせる暇もない。
だというのに、アーミラの頭の中を占めるのは、セラのことばかりだった。
「ごめんね、セラーー」
数時間後、双子高位魔族の片割れが、瀕死の状態で倒れていたとの一報が魔界中をどよめかせた。
姫主はたった一人で祭壇にたおれこんでいたらしい。
そのほほには涙がひかっていたと、誰かがいっていた。