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グリエの嫁

アーミラ

[アーミラ]

キャラID
: YK103-967
種 族
: エルフ
性 別
: 女
職 業
: 魔法使い
レベル
: 127

ライブカメラ画像

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アーミラの冒険日誌

2018-04-01 20:55:42.0 テーマ:スクールライフ

甘い紅茶

「はいっ注もーく!」


春休みも残りわずか。
校舎に人影はなく、桜が閑散とした敷地を彩っている。
フウキの先輩も今日から社会人…。
と、いう日に、なぜか一同は活動室に集まっていた。

「なんなのオバサン。また訳のわからないイベントをやらされるわけ?」
「か、開口一番酷いこと言うわね…。
 昔、ツンデレの同級生がいてモテモテだったけど、私にはツンどころじゃない興味のもたなさだったわ。しょっぱい思い出ね…」
「せ、先生! そ、それで、何で僕たちを集めたんですか?」
「ああ、そうだったわね。
 今日は何の日でしょうか!」
「私たちが完全に学園から卒業した、次の日ですよね? 私明日から、お店にたつんだよね~!」
「まあ、おめでとうございます! 私いつか、クラウン先輩のご実家で武器を買いたいです!」
「俺は、自作の武器を置いてもらいてえな!」
アーミラは苦笑いした。
そうだ。話題が全然違う方向にいってしまっている。ここはひとつ、注意を…

「裁縫職人の作品は、置いてもらえないよねぇ」

あれっ。



「みんな、久しぶりに会えたからワイワイしたいのね! ならなおさらよかったわ。
 今日はね…『エイプリルフール』嘘をついてもいい日、なのよ!
 というわけで! みんなで『嘘つき選手権』をやりたいと思います!」
「それは、おもしろそうですね!」
「…頑張る」
「ラピスが、凄い意欲をみせておるぞ!」
「嘘なら、リソルが得意なんじゃない?」
「まあね、おまぬけなアンタたちを騙すなんて、服を着るよりも簡単だよ」
「言ったな! 俺と勝負しようぜ、リソル」
「おバカ先輩、やっぱりバカなんだね。嘘って分かってたら、勝負にならないじゃん」
「なんだとてめえ!」


それじゃあ始めるか、と誰かが言い、フウキによる『嘘つき選手権』が始まった。
「私の先祖はオーガなんです」「うちの武器屋、闇商人さんとつながってるんだー」「王家に伝わる指輪をなくしてしまって…」などなど、個性溢れる嘘をついてゆく。
「次、リソルだよ!」
適当に言ってマヌケ面でも拝むか、と口を開くリソルだが、出てきたのは…

「ちょっと待って、なんでそんな平然としてるわけ?」

一枚目の写真を見た誰もが思ったであろう、疑問だった。
「平然って、なんのこと?」
「その変な格好の奴らのことだよ。なんで水着? おバカ先輩はともかく、雑学王子までボケちゃったの?」
必死の問いかけに、アイゼルははっと驚いた顔をした。
いつになく安堵を覚えたリソルは、

「…リソルの夏服に比べたら、なんてことないだろ」

「なんでだよ!!!」
感情が爆発した。


「んじゃ最後、あたしの番だね!」
ついに最後の一人となる。
先生は自滅してミランに慰められていたし、ラピスはドラキー美味しそう、と言ってメルジオルに怯えられていた。
フウキのメンバーはひそかに期待を持っていた。
学園の解放者、伝説の転校生は、いったいどんな嘘をつくのか…

「あたし実はさあ…


 人間の他にエルフの姿を持ってて、
 冥王ネルゲルによって一回死んでてさー、
 あ、冥王は倒したんだけどね?
 勇者の盟友になって世界救ったり、
 ナドラガ神倒して竜族の解放者になったり、
 二回目の死を体験したり、
 今は過去の世界で、未来を守るために王子様とかと一緒に戦ってるんだよね。
 ほんと忙しくて困っちゃうよね♡」

「えっと…。これ嘘かな、ほんとなのかな!?」
「わかんねえ…、確かにただの冒険者にしては強いとは思ってたんだよな…」
「でも、最初にちゃんとエイプリルフールと銘打って話してますから、嘘…だと思いますよ」
「アーミラ、嘘ついた?」
「こ、これ! 人聞きの悪い言い方をするんじゃない!」
「あの、でも…」
「なぁに、フランジュちゃん?」
「今アーミラさんがおっしゃった全てが当てはまる方が、アストルティアにいらっしゃると聞いたことが…」
「「「えっ」」」
「普段はアーミラさんと同じ魔法使いで、エルフの女性の姿をしている、と…」
「「「「「  」」」」」








「それで? のんきに紅茶なんか飲んでるけど、全部嘘なの、センパイ?」
「どっちだと思う?」
「アンタまでタヌキ先輩みたいなこと言うわけ?
 ま、どうせこいつらに嘘つく勇気なんて、ないだろうけどね」
「ほう。勇気の塊な勇者姫の盟友に向かって、それを言うか?」
「アーミラがどんな人間だろうと、オレの気持ちは変わらないよ」
「あれ、デレてる?」
「…アンタ、あんまりふざけたこと言うとあとでお仕置きだからね。
 ーーなに笑ってるのさ?」

「いや、…」





「たまには、あたしの正体知らない仲間たちと緩く暮らすのも悪くないな、って、ね」











ーー午後の紅茶の時間の、そんな一時。
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