時は戦国末期から数えること1000年後、年がら年中桜咲く実に羨ましい気候に包まれるカミハルムイのありふれた一軒家に、その男は生まれた。
名前は、まだない。(夏目漱石風に)
この世は不平等である、そんなことは知っている。
俺だって億万長者の家に生まれたかったよ、ちくしょう!!
しかし、静かに耳を澄ませてみよう、心の目を開こう。ねぇ、落ち着こう。
万人に平等に与えられるものは必ずある。それは「時間」である。
一日24時間という時間は全ての人に等しく与えられる。
その時間をいかに充実させることができるかは、個人の裁量にかかってくる。
私はそんな「時間」の重要性をしっかり認識している、つもりだ。
よし、伏線は十分。
さぁ、物語の始まりだ。
濃厚な味噌の香りで目が覚めた。
私はとろけるような眠気を振り切り、体を起こそうとする。
しかしそこはさすが、人間の3大欲求の一つである「睡眠欲」である。
生まれ持った自分自身の意識を司る脳を、淫靡なまでに甘い吐息でメロメロにする。
よし、やっぱあと5分だけ…そうすればもっと…スッキリするはず…
お爺「しゅー、いつまで寝ているのだ!夕飯できたぞよ?」(伏線2個回収)
私「お爺、静かに。」
こうして物語は動き出した。
第一話「覚醒」~~完~~
第一話ってなってるけど、何もなかったことにする確率高し(´∀`*)