ザザァ〜、ザザァ〜
波の音だ…
意識が朦朧とするなか、微かに聴こえる波音を遠くに感じる。
ギラギラと身体を焼く太陽の光が、閉じられた瞼を通して眼前を紅く照らしている。
わたしは、いったい…
身体中が痛い、何が起こったのか。
いや、落ち着け。
ゆっくりでいい、まずは一番新しい記憶から確認するのだ。
長年生きてきたという経験と、どうせ老い先はそんなに長くないという諦めにも似た自論が落ち着きをもたらす。
拙い記憶を探る作業は、意外にもあっさりと終わった。
そうだ、私はレンダーシアに向かおうと思いレンドアに行ったら、やれあれもってこいだのこれとって来いだの言われて、めんどくさくなって泳いで行こうとしていたのだ。
船上クルーの制止を振り切って、港から飛び込んだ所で記憶が切れている。
きっともう少しで着くという所で、魔の三角地帯的な何かに入ってしまったのだろう。そういうことにしとこう。
そして、運良くレンダーシアに着いたのだ!
やはり、何事もやればできるのだ。
状況を把握出来たところで、更に落ち着きを取り戻したじぃ。
そこで腹の奥から魔物の呻き声のような悲痛な叫びが、腹筋を貫いてビーチにこだました。
グゥゥゥゥゥキュルキュルキュルキュル〜
マジ腹減った。。。
まずは何か食料を探そう。
そうだ、ここがレンダーシアであれば、集落が何処かにあるはずだ。
人に会うことさえできれば、この容姿で弱り切った感じを強調すれば、必ず食料をくれるであろう。
痛む体にムチを打って立ち上がり辺りを見回すと、遠くに何かいるのが見て取れた。
良かった。
正直歩き回るのめんどかったから、助かった。
じぃは今にも尽きそうな体力を振り絞って、視界に捉えた何かに向かって歩を進める。
なんだこの生き物は。
レンダーシアとはこんな生物がいるところなのか。
まぁいい、最悪下のはゼリーみたいで食べれそうだし。
ハットは日よけに良さそうだ。
じぃ「や、やぁ!こんにちは!」
?「どうしたのでござるか、おじいさん」
じぃ(えっ、喋るんだ。ダメもとだったけど。。。)
「いやぁ、ちょっと道に迷ってしまって、何か食料を恵んで頂けないでしょうか?ゴホッゴホッ!!!!」
?「それは大変でござる。一大事でござる。」
じぃ「何処かに何か食べ物はありませんか?」
?「あるにはあるが、そこは運が悪いと鬼が出ると噂されておるでござる。」
じぃ「それはそれは。まぁでも、私もちょうど角持ってるし、仲間ってことで誤魔化せるはず。教えて下さい、その場所を。失礼ですが、お名前は?」
クルすけ「拙者、クルすけと申す」
じぃ「そうですか、クルすけさん。して、その食料はどちらに。」
クルすけ「そこの桟橋を右に曲がって、左奥にあるでござる」
じぃ「ありがたい、では早速行って見ます、助かりました。ありがとう。」
クルすけ「なぁに、拙者当たり前の事をしたまででござる」
じぃ「では、また何処かで^_^」
クルすけ「気をつけて行ってくるでござる」
その桟橋は意外にもすぐ近くにあった。
うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!
マジうまそう、これ全部いいの?!
やった、これヤバス激ヤバスー!!!!!!
コホン
ゴクリ…
それでは、いただきます( ´ ▽ ` )ノ
Part2に続く