ゼツカの冒険日誌

一方


しお達も闘技場にたどり着き
その広間へと足を運んだ。
仲間の一人であるみ～み～も
既に合流していた。


さくら
「ラッカランのコロシアムと
似たような作りだね」

モリゾー
「あまりコロシアムにはいかないが…
戦いを好む奴らの趣向ってのは
似たりよったりなんかね…」

み～み～
「…本当に戦わなきゃならないんだ…ここで…」

しお
「！」


しおが気配に気付く。




反対側の部屋から広間に向かって
反逆の騎士団が歩いてきた。


その顔は険しい。


互いに睨み合うように対峙する。


さくら
「…ちゃんぷ～寝てるけど…」

モリゾー
「…寝てるな」

ゼツカ
「バル、起こせ」

バルドーソ
「おう」


しかしちゃんぷ～が寝たまま起きない事に
焦るバルドーソ。


バルドーソ
(おい、ちょ、ゼツ、こいつ起きねぇんだけど…)

ゼツカ
(起こせよ、殴って)

バルドーソ
(後が怖くてできるわけねぇだろ！)

ゼツカ
(とにかく起こせよ、チューして)

バルドーソ
(後が怖くてできねぇっつってんだろ！！)



そんなやりとりの中



ゼツカの影の中から
何者かが現れる。


さいとーであった。


ゼツカ
「…来たか」

さいとー
「…僕が代わりに戦うよ」

バルドーソ
「サラッと出てきたけど…お前誰だよ…」

さいとー
「僕はさいとー…ぜっちゃんの…影…」

ゼツカ
「古き友人だ…こんなこともあろうかと
声をかけて仲間に引き入れておいた」


しお
「随分緊張感がないけど、大丈夫なの？」


ゼツカ
「ウサギを狩るのに全力を出す虎がいるか？」


しお
「ウサギじゃなくてライオンだったら？」


ゼツカ
「全力で喉元を引き裂くだけだ」


再び睨み合う両雄。


そしてゼツカが叫んだ。



ゼツカ
「《反逆の炎ゼツカ》！」


アルフレド
「《導化のアルフレド》」


バルドーソ
「《賢王バルドーソ》」


さいとー
『《黒棺のさいとー》…』


ゼツカ
「我ら反逆の騎士団！」


ゼツカ
「行くぞ！我に続け！！」





戦いの火蓋が切って落とされた。







ゼツカの狂刃がみ～み～を襲う。


み～み～
「うっ！」

さくら
「み～！」

しお
「み～ちゃん！」

ゼツカ
「さぁ、かかってこい！」


前線で奮闘するゼツカ。


その後ろからさいとーが
メラゾーマを放つ。


モリゾー
「効くかよ！」


メラゾーマを盾で弾き返すモリゾー。


それをアルフレドがさいとーに
マホカンタをかけて更に弾き返す。


モリゾー
「うお！」


さいとー
「…ありがとう…」


アルフレド
「どういたしまして」


バルドーソ
「俺も強烈なやつを見舞ってやるか…」


しお
「みんな、バルから離れて！」


バルドーソ
「イオ…グランデ…」


バルドーソが眩い光に包まれ
巨大な爆発を巻き起こす。


さくら
「きゃあ！」

み～
「うっ！」

モリゾー
「ぐあっ！」

しお
「くっ！」


しおだけが武器で爆発をガードする。




しかしゼツカの剣撃で体勢を崩される。


さいとー
「だめだよ…そこにいちゃ…」


しお
「？！」


さいとー
「…ジバルンバ…仕掛けておいた…」


地面が躍動し激しい唸りをあげて
爆発を起こす。


しお
「うわっ！」


さくら
「ベホマラー！」


すかさず全員を回復するさくら。


しかしアルフレドがさくらを狙う。


アルフレド
「双竜打ち！」


さくら
「アル嫌い！！」




み～み～がさくらを回復するも


ゼツカがギガスラッシュを放つ。


双方激しい攻撃の押収と回復に
疲れが出始めていた。


まったく攻撃が衰えないゼツカを除いては…。


さくら
「ぜっちゃんの攻撃が…」

モリゾー
「重い…」

み～み～
「守備力も高い…ダメージが通らない…」

しお
「…」


激しく疲弊しきったさくら達を見て
しおが意を決して叫ぶ。






しお
「みんな、攻撃をやめて」







～つづく～