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不世出の舞い手

こっぺぱん

[こっぺぱん]

キャラID
: ZK303-635
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 踊り子
レベル
: 126

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こっぺぱんの冒険日誌

2017-10-09 20:12:56.0 テーマ:その他

日誌を書いた!~流星の集会所から~ 【いつの頃かの話『金木犀』】

明け方の林道。
ふわりと漂ってきた懐かしく、馴染み深い甘い香りに歩みを止める。
辺りを少し見回せば嗚呼、やはり貴方か。
橙色をした小さな、香り高い花を付けた香木を直ぐに見つける事が出来た。

その細い枝先に着いた綻んだ花弁に手を伸ばす。
其れを手折らぬように、この美しさに惹かれ、我を失くしてしまわぬように。

「貴方はこの世界を何と例えるのだろうか?
この世界での私は、我等はどうあるべきなのだろうか。」

きっとこの答えは、この問いは、永遠に導き出す事が出来ないのだろう。
今も、此れからも、此れまでも。


さぁ、と吹き抜ける風が朝の陽光を導き駆ける。


「嗚呼、陽が目覚めた、か……帰らねばならぬ、な」


木々を、生命の鼓動を夜の眠りから目覚めさせるその陽光に、
馴染み深い香りに背を押されまた歩を進める。


「何、そう急かさずとも私は帰ります故。」


小さく呟き目を細める。
私の、私等の帰る場所は、我等を認められる場所は其処にしか無いのだから。
私は、私達は我等は常世の常であるのだから……

多くのものを失った今、
世界を保つ為にまだ、この世界に留まる事となるだろう。



金木犀、白金の朝に、白の夜に咲く
久遠の未来を見つめ続ける気高く、爛漫で快活な花。
……であると私は詠む。

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