これは、前作のラスボスことアルハマの物語
見ずとも良いが、見ればあなたも考えるはず
『その行動に、理由はありますか?』
そんな答えに悩む、アルハマとその仲間達の物語
時間帯で言うと、アスラン達がプルートタワーを攻略してから14日後の今日、この時
とある場所で、アルハマは退屈していた
『災いの書』に書かれている内容は部下達に実行させている
これを達成すれば、自分たち魔族の悲願も達成される
そう、ウェディの姿は仮の姿
彼は魔族の王なのだ
しかし、王の仕事は退屈だった
部下1「アルハマ様!3日後に行われる『ミラル峡谷壊滅計画』について、何かご指摘を!」
『災いの書』に書かれている事、それは憎悪や憎しみなどの「負のエネルギー」を収集すること
その発生には、戦争を起こすのが手っ取り早い
戦争は様々な負の要素が混ざっている
失敗はしたが、人体から魔力を吸収して戦争の引き金にしたり
負の力の代用に使えると思っていたのだが
それは参謀のアレクサンドラの仕事だ
だから、俺は今暇だ
部下1「あの・・・アルハマ様。ご指摘は?」
アルハマ「え、ああ。そうだな・・・。特になし。作戦決行は3日後で」
部下はそれを聞くなり「有難う御座いました!」と言ってどこかへ行ってしまった
『王』とは、こんなものなのだ
暇だったから魔界から下界に降りてみたが暇だ
そんな暇なアルハマは今、下界の芝生で昼寝をしていた
アレクサンドラ「アルハマ~っ!・・・って、なんでここにいるんだよw」
暇なアルハマに参謀のアレクサンドラがやって来た
こいつは普通に俺と接してくれる
わざわざ下界までやって来てくれたのだから、感謝の一言でも述べるべきなのだろうか
アルハマ「ん~、マジで暇すぎて死ぬ。アレ助けてw」
アレクサンドラ「略すなw。ん~・・・暇つぶしかぁ」
アレクサンドラも正体はエルフではなく魔族
装備も普通の冒険者と一緒だ
アルハマの暇つぶしにつきあわされる参謀も大変だろう
すると、その参謀が思いついたように言い出した
アレクサンドラ「そうだ、街に行ってみれば?」
アルハマ「なぜに?」
アルハマの質問に、参謀はこう答える
アレクサンドラ「下界の奴らって殆ど年がら年中冒険してるじゃん?ってことは、
冒険は飽きない!つまり暇つぶしに最適。その準備に、街に行けば?」
アルハマ「冒険かぁ。いいなそれ、じゃあ行こうか」
暇つぶし気分で冒険をすることにしたアルハマ
ここの近くで街や村と言えば『アルマの村』『ブーチェの街』が挙げられる
前者はミラル峡谷の山間に位置する小さな村
平和でのどかな農村のため、店や酒場は小規模だ
後者はここら辺ではかなり大きい都会の街だ
煉瓦造りの町並みに、街灯の光が映し出される美しい街
酒場や市場、武器や防具に道具の品揃えも良い
と言うことで、2人はブーチェの街までドルボードで走った
~『ブーチェの街入り口』~
ついた時には夕日がミラル渓谷と街をオレンジ色に染めていた
吹き抜ける風は、山の涼しげなそよ風、時に強風
人々の足音と雑踏に紛れながら、2人は街の中に入っていった
アルハマ「さあ、参謀。これからどうすればいい?」
アレクサンドラ「知るかよwとりあえず俺らそこそこ強いし装備はこのままで良いと思う」
アルハマ「で?」
アレクサンドラ「食料と野宿用品と適当に回復アイテム。まぁ俺僧侶だし回復は要らない・・・か?」
アルハマ「バザークヒーラーが何いってんだよ。で?」
アレクサンドラ「・・・。アルハマは適当にぶらついてて。7時に中央広場集合だから」
アルハマ「で?」
アレクサンドラ「・・・・・・殺すぞw」
そう言い残して、参謀は夕日の街の中へと消えていった
アルハマはしばらく何をしようかと考えた結果、酒が飲みたくて酒場へ向かうことにした
と、いっても酒場の位置も分からないので仕方なく闇素の索敵スキルで探し出すことにした
アルハマは闇素を召還し、道案内をさせる
しばらく歩けば大きな酒場にたどり着いた
だが、妙に騒がしい
チークの扉を開けてみると、そこは修羅場と化していた
「その瓶を返して下さい!」
「返して欲しかったら俺たちといい事しようぜぇ~?」
数名の男達に取り囲まれる女性
アルハマはその光景を見ながらこういった
アルハマ「あ~ぁ。確かに暇はしねぇなw」