あらすじ
ショイチは時を止める能力を持つクライに勝利する
その後、怪しげな空間にその2人は誘われる
そこは桃源郷の様な所だった
ただ、コロシアムの時間が止まっているだけなのに
ショイチはその空間を魅入っていた
ショイチ「ここがお前の空間・・・」
クライ「そう。そして僕は君と契約を行う」
『契約』とは一体何を意味するのか
考え始めていると、クライは話し始める
クライ「この世界には『大精霊』という、自然を司る存在が居る。地水火風闇光と様々だ。
僕はその内の『時』を司る大精霊クライだ」
自らの正体を明かし始める
プルートタワー攻略前、書物庫で聞いたことがある
『大精霊』の存在を
古くから自然を監理、支配する生命体である
ショイチ「お前の言う契約って何のことだ?主とは何なんだ」
大精霊の書物に『契約』の説明は載っていなかった
人と何を契約し、
それによって何が起こるのか検討もつかない
クライ「『契約』とは、大精霊が認めた生命体を『宿主』として力を貸す事。大精霊はその能力の権限を宿主に譲渡し、
宿主はその代償・・・糧、つまり『MP』を大精霊に渡すんだ」
つまり、契約を行う事で大精霊の能力を宿主は自由に行使できる
が、その行使にはMPが必要であると言う事
例えば2人が契約した時
ショイチがクライの能力を使えば、ショイチの魔力はその行使量の比例してクライにMPをあげる必要がある
それが大精霊の言う所の『契約』だ
ショイチ「大精霊が動く為には糧が必要、なんだろ?お前は今何を糧にしているんだ?」
契約する前は大精霊を動かす為にそれぞれの属性にちなんだ糧を必要とする
クライの場合『時』
だが、何を糧にするのだ?
クライ「僕は他者の時を糧としているんだ。簡単に言えば『僕が今まで殺してきた人々の人生の時間』を糧にしている」
ショイチ「他人の時間を糧に?」
驚愕の事実だ
クライは他人を殺して時間を奪わなければ生きていけない存在だったのだ
クライ「神様は残酷だ。こうして生きているのは他人の時間を奪ったから。
コロシアムに出場したのは、死んでも文句の言えない戦闘狂が沢山居るからだ。
僕だって、人を殺したくなんて無いよ。僕が望んで、そうなった訳じゃない」
クライはずっと悩んでいたのだ
自らの存在に意味があるのかと
クライ「僕は無敵だった。時間を止めれて。何でも出来て。自分だけの世界を創り出せて・・・」
盗みや戦闘、生活においても凄く便利な能力
だが、それがかえって彼の首を絞め続けていた
クライ「僕は孤独だった。自分だけの世界で、僕はいつでも一人だった。
みんな止まっていて、僕だけが動いている。誰も僕を、見てくれなかった」
ショイチ「お前・・・」
クライ「でも、君はそんな僕を止めてくれた。孤独から僕を解き放ってくれた。だから君を『宿主』にしたいんだ」
自分の存在を肯定してくれる者
それは『自らを止めてくれる強い存在』
ショイチを宿主にすれば、もう他人の人生を奪わずに済む
もう、孤独じゃなくなる
無敵すぎて、孤独だったクライはショイチに救われたのだ
ショイチ「契約か・・・。俺はいいよ。やっても」
クライ「え・・・」
話はちょいちょい分からないことだらけだったけど、こいつを救ってやりたい一心で契約しようと思った
クライはそれを聞くと目に涙を浮かべながら術式を展開する
巨大で強力な魔法陣の中央に立つ2人
クライ「我、時を司る者。ここにいるショイチを新たな主として迎え入れる。ショイチ、我と契約を誓うか」
ショイチ「えっと。・・・はい」
その瞬間、地面から凄まじいエネルギーがあふれ出し
強風の様に2人を包み込む
驚くショイチ
クライ「契約は完了した」
ショイチ「え、早っ」
その時だった
ショイチは激しい目眩に襲われる
神経性の毒の霧はもう晴れている
クライ「この瞬間からこの空間を止めているのは宿主の君だ。その時間に比例して君はMPを大量に消費し続ける、だから早く時間を戻したら?」
自分のMPバーが恐ろしい速度で減っていく
目眩が止まらない
この能力、便利だが使いすぎは注意だ
クライ「あ、それと。後で僕の名前を決めて欲しいんだ。クライは僕の真名じゃないから・・・って倒れるなしw」
ショイチは耐えきれず、地面に倒れた
じきに気絶し、時は戻るだろう
ショイチ「『ラーフ』・・・」
クライ「え?」
いきなり倒れながらそうつぶやく
ショイチ「英語訳で『笑う』・・・って意味・・・クライなんて、似合わないよっ・・・」
そう言って本当に気絶するショイチ
ラーフ「ラーフ、か。大事にするよ。この名前」