あらすじ
死んだはずのアスランの兄マルクが大精霊であるかもしれない
ペリ「仮初めの死?」
聞いたことのない単語だ
説明を開始するアイゼル
アイゼル「何処の国だって国王が死んだら新しい国王が王位を継承するだろ?
大精霊もそれと似ていて、一度死んでもまた復活するんだ。
大精霊が本当に消えたら、自然の摂理が狂うからな」
それは、信じがたい事実だった
死んだはずの兄が生きているかもしれない
そんな事を聴いたら動揺せずにはいられない
アスラン「兄さんは生きてるの?!ねぇアイゼル!」
りな「アスランッ。落ち着いて」
アスラン「あ、ゴメン」
アイゼル「大丈夫だ。だがこの『仮初めの死』って言うのは特殊でな」
アイゼルが顔を曇らせた
そして、次の瞬間聞こえてきたのは耐え難いことだった
アイゼル「大精霊は死んでも神殿で復活する。だが、復活するのは肉体だけで、記憶は引き継がれないんだ・・・だから・・・」
会えたとしても、それは全く別の存在『大精霊ジオ・ニクス』なるものであって、アスランの知るマルクではない
それは、つかみかけた大切な人が
するりと一瞬にして滑り落ちていく感覚
もう、兄さんには会えない
あの優しい兄さんにはもう・・・
アイゼル「ゴメン。俺のせいだ・・・俺が」
アスラン「アイゼルは悪くないよ」
アスランの目にはうっすらと涙が溜まっていた
それは何に対する涙なのか分からないが
自然と出てきた涙
頭で整理できていないが、頑張って話すアスラン
アスラン「それでも僕は兄さんに会いたい。僕の事を忘れててもいい。兄さんがどんな人だったのか、僕はただそれが知りたい
僕の見えていなかった兄さんの姿を見たい
なんで隠す必要があったのか
なんで大精霊が僕の兄で、父さんと母さんはどうしたのか
全部聞けなくても良い、ちょっとだけでもいい
僕は知りたい・・・だから・・・あのっ」
ひろりん~「はぁ、分かったよ。もう大丈夫」
泣きながら絶え絶えの声で話すアスランを見ていられずひろりん~が止めに入る
それでも、十分気持ちは伝わった
ウィリアム「分からねぇなら、知りに行けばいいさ」
りな「その為の仲間です、だからアスラン。お兄さんに会いに行こう」
アスランは一人じゃない
一人で出来ない事を一人で背負って抱え込まなくても良い
仲間を頼ってみればいい
そう思えたから、アスランはゆっくり顔を上げて服の裾で涙をぬぐって言った
アスラン「みんな・・・ありがと・・・。行こう!兄さんに会いに!」
そんな会話を、のぞき見している集団が居たのだった
まなっち「私が黒毛和牛喰って熟睡している間に何たる作戦会議を・・・ぐぬぬ」
まなひよ「私達抜きで・・・許すまじ・・・」
カイル「まぁまぁ、寝てた俺らを気ぃ遣ってくれてたんだよ」
きょうすけ~「マルクが大精霊だったのか・・・マルク・・・」
ルナ「きょうすけ~・・・」
きょうすけ~「僕はお城でマルクに助けて貰ったんだ」
アルハマ「それは俺らの仕業だわ。てへぺろ★」
ゆかり「うちの馬鹿焼き魚が大変なご無礼を!」
だだねこ「結界で口を即座にふさぎます!『百足の封印紋』っ」
アルハマ「もごもごっ!ごごっんん!」
アレクサンドラ「悪い。今思えば馬鹿げてたんだよな、そんな事も」
チト「あなたたちがしたことは許された訳じゃない。僕の家族を奪った、けど、僕は罪を犯したあなたたちの辿る道の先を見たい」
ラム「はいはーい!ラムちゃんもぉ、そう思ってましたぁ!」
まなひよ「便乗やめい」
アレクサンドラ「意識が無かったとはいえ、俺はアスランの兄を・・・」
フェン『くらい話はお終いですよっ。時間は戻らないんですから』
ラーフ「そうだな。時を司る俺でも出来ないからな」
アレクサンドラ「そうだよな、時間戻らないよな・・・」
ショイチ「なぁ、ラーフにアレクサンドラ。フェンの言葉ナチュラルに翻訳してね?わかんの?」
二人「ああ」
一同「えええ!」
ひろりん~「え、まさかみんなのぞき見してた!?」
ペリ「うわっ、なんで気がつかなかったんだろ」
アイゼル「俺は『闇素探査』で分かってたけどな」
悟空「じゃあなんで言わなかったんだよw」
アイゼル「察しろよ」
まなっち「こうなれば総力戦だ・・・皆の衆!全力を挙げて黒毛和牛を私に献上せよ!」
一同「・・・」
まなっち「先手必勝!『トリリオンスター』!」
ひろりん~「『アーサーフェイス』っ!止めてよ!」
まなっち「問答無用!『バイオレット・スカー』っ」
ひろりん~「あわわっだだねこ結界プリーズ!」
だだねこ「あ、はいっ!」
ラム「あー、割り込まない方が良いわよ♪貴方が生け贄にされちゃうかも★」
だだねこ「あ、はい」
ひろりん~「でええ!」
ひろりん~は死んでしまった!