はるこの冒険日誌

６、大阪再生の処方箋

正直、「これをやったら大阪が元気になる！」みたいな
魔法のような話はないのです。
それは、都構想についてもあてはまる話で、「都制」を敷いて
いる東京が繁栄しているから、大阪も都制を敷けば繁栄する
と考えるのは、因果関係を誤認している可能性が高いと
考えます。

そもそも、東京が繁栄しているのは、

・政策的に東京一極集中を目指してきた
・東京に政治・経済機能が集中することで東京の引力が強化される
・東京一極集中の弊害が指摘される中、解消を目指す具体的行動はなかった

という、政治的あるいは社会的事情によるところが大きいのです。
これは大阪だけの話ではなく、日本全体の問題として、地域を
どのように維持し発展させていくか、という問題の裏返しに
ほかなりません。

東京一極集中がいまだ国策とされていることを強く印象づけた
出来事の一つが東京オリンピック招致です。

東京の数年前、大阪でもオリンピック招致が行われていました。
そのときの担当者が東京大会の招致の様子を見て曰く、
「大阪のときもこれくらい国が熱心に招致してくれれば…」

これ以外にも、広島長崎のオリンピック招致も話としては
出たことがありますが、こちらも招致に至っていません。

オリンピックというのは、世界をあげての一大お祭り騒ぎ
ですので、招致することによる地域への経済効果の大きさでは
イベントとしてこれ以上のものはないでしょう。

インフラを整備しつつ地方へお金を落とすのにこれに勝るものはない
と言えそうなのですが、結果的に経済が地盤沈下している大阪でも、
その他の地方都市でもなく、
50年前とはいえオリンピックレガシーが残っていて、
しかも日本の中で一人勝ちしている東京へと
オリンピックは招致されてしまったのです。

このことは国が政策として「東京以外は没落していって
構わない」と言っているに等しいと思うのですが、
残念ながらその点を批判している人はいないようです。

確かに人の集積は都市の活力の根源ではあるのですが、
それにしても現在の東京はやや過密に過ぎる感があります。
日本の人口規模からして、国家規模での中心地が東京しかない
というのは、正直東京が過密になりすぎるし、
リスクマネジメントとしても複数の中心地があったほうが
好ましいわけです。

そもそも大阪が経済的に凋落した原因は、大阪発祥の企業が
東京一極集中に伴って本社機能を東京に移転してしまった
ということにもあります。
（加えてグローバル経済で生産拠点も海外に移転してしまった
　というのもある）

そういう意味では大阪に副首都の機能をというのは
なかなか的を射た政策の方向性であると思うのですが、
国レベルではいまだに東京一極集中への傾倒が窺える上、
副首都構想に熱心なのは大阪くらいと、あまり見通しは
明るくないように思います。





７、まとめ

・住民投票が可決されても「大阪都」はできない
・大阪市解体の結果、いわゆる二重行政が悪化する懸念
・行政組織の改編に伴う費用負担が発生する
・大阪再生には日本全体の発展の観点から地方再生の議論を

はるこの意見：大阪都構想はやらない方が良い



それはそれとして…、自分の街にプライドを持ってきた大阪の人が、
何でも東京の真似したいなんて気分にならなければならないほど
大阪の現状が深刻なのか、と思うとなにやら暗い気分に
なるなぁ…。