大阪のおばちゃんがくれるお菓子といえばアメちゃん。
『ちゃん付け』する由来は京都の御所言葉で、宮中の女性が尊い食べ物に
さんを付けていたのが始まりなのだとか。
後に飴に対してのみ『さん付け』が『ちゃん付け』に派生した説があるそうです。
(京都市の中心でのみ現在でもアメさんと呼んでいるらしい)
先週のDWK☆48公演にて大阪のおばちゃんはアメちゃん携帯率が高いという
話題が出され、その流れでリズさんが飴にまつわる思い出話を語ってくれました。
掻い摘んでまとめていきます。
☆アメちゃん所持率
大阪では老若男女問わず飴の所持率が高いという特徴がありますが、
その中でもボリューム層であるおばちゃんに限れば
リズさんの体感では8割以上が飴を持ち歩いているそうです。
関西に縁が無い人には意外かもしれませんがこれは信憑性のある数字で、
2012年に放送された関西テレビの某番組による調査では
おばちゃん飴所持率
大阪 84%
東京 9%
というとてつもない数字が出ています。
☆袋
彼らはいざというときにすぐ飴を取り出せるよう専用の袋を用意しています。
古めかしい巾着袋からデコレーションされた今風のポーチまで様々ですが、
共通しているのが『個包装された飴が新旧の区別なく保管されている』ことです。
飴の賞味期限というのは数か月から数年と長いものが多く、
その主成分である砂糖は糖分濃度が高いため保存性抜群です。
しかしいくら安全とはいえパッケージがくしゃくしゃで形状が変質した飴を
もらって嬉しいという人はいないでしょう。
リズさんの実体験に基づく証言によれば、小さな子供を連れている女性が
渡してくる飴は比較的新しく品質が良いそうです。
これは子供のおやつ用の飴が出てくる可能性が期待できるからだとか。
とはいえ少子化が叫ばれて久しい現代でそのような幸運に恵まれることは少なく、
皆さんが遭遇する大阪のおばちゃんは様々な飴を渡してきます。
彼らの巾着袋は開けて確認し観測しなければ
中の状態がどうなっているのか確定しない、
可能性が重なり合った箱なのです。
☆リズさんが実際にもらったヤバい飴ランキング
第三位
忘れました!
第二位
やわらか黒飴
硬質なはずの黒飴がまさかの水飴状態。
受け取り時にやわらかかったということは
おばちゃんの巾着袋が発熱していた可能性があります。
第一位
美しいステンドグラスへと変貌を遂げたサクマ式ドロップス
缶を振っても中で飴が動く気配が無く、やむを得ず缶切りを使用して
開封したところ現れたのは繊細な飴細工でした。
一度溶けた飴が絶妙に固まり、透明感のある構造体が誕生したのです。
あまりの美しさ?に息を呑むリズさん。
「まるでステンドグラスのようだった」
と当時を回想しながら語ってくれました。
美術的、歴史的価値が高いステンドグラスといえば仏シャルトル大聖堂が
有名ですが、この日に創り出された作品も希少性という意味では
負けていなかったかもしれません。
希代のパティシエ、ステンドグラス職人である作者のおばちゃんは
「これトンカチで割ったら食えるで!」
とのコメントを添えたそうです。
ドロップとはかけ離れた異物を押し付けられてしまった
リズさんの心境はいかばかりか。もはやこの小さな飴ステンドグラスのみの聖堂に
アーメンと祈りを捧げるしかなかったのかもしれません。
公演でこの話の締めくくりに『ながぐつネコ』さんの発した言葉が
状況を的確に表していました。曰く、
「舐めたらアカン」
~終わり~
※サクマ式ドロップスとは
お馴染みのベストセラーキャンディ。
その歴史は古く、1908年に設立された佐久間惣次郎商店によって
同年に発売されたサクマ式ドロップスが元祖。
同社は戦中の砂糖不足により廃業するが、戦後に関係者が
後継企業を設立。今日へとサクマ式ドロップスが受け継がれている。
ちなみに佐久間製菓がサクマ式ドロップスを正式に継承し、
別会社のサクマ製菓はサクマドロップスを販売している。
二つの会社が酷似した名称、見た目の商品を扱うという状態になっているが、
両社ともに元企業の関係者が設立に携わっているため
単純にどちらが本物、偽物という話ではないようだ。
クエン酸を配合し『夏でも溶けにくいドロップ』とのことだが
おばちゃんの前には文字通り形無しとなってしまった。