…それは、昔懐かしい子供の頃の遊びだった。
シ〇イ『りゅうせきさん、ボン○ーマンごっこをしましょう!』
朱美姉『アンタ爆弾役ねーw』
り 「数秒おきにメガンテ使う身にもなってくれんかの;」
** 『ひっ』
「…ぁごめん今の寝言」
** 『ごごごごごめんなさい山賊様どうか命だけは…!!!』
「だから私は山賊ではないとあれほd」
** 『ひぃぃいぃいいいお助けぇぇエエエエエ!!!』
やれやれ…。
…ここは古代エテーネ王国。
姉が錬金したと思われる『Wind○ws8.0Compact』の端末を起動したところ
緑色の服を着た顔色の悪い妖精さんが出現。
『検索ワードを入れるキュイ』と宣ったので
古のプロトコルに則り『お前を消す方法』と入力したところ
どういうフラグだったのか例の『時空ハッキング』が起こり
この時代に飛ばされた、というわけだ。
付録でついてきたデータベースによると、今から50XX年程の昔なんだとか。
それで、この状況はと言うと。
飛ばされた先の廃墟にて、空き巣と間違えられて殺されかけたのが始まりで
廃墟を抜けた先の集落では山賊の襲撃と勘違いされて辺境警備隊に連行され
右翼曲折を経て首都にたどり着いたところで今度は門番に捕まって
尋問部屋行き、と。
どうやらこの格好とこれまでの成り行きが全て裏目に出た結果
私という人物は完全に『野盗か山賊の類』と認識されたようだ。
連行された辺境警備隊の詰め所で起きた変な魔物の襲撃事件にて
たまたま警備隊を守りきった功績が認められ
『割と無害な山賊』として釈放されたのが昨日の話。
…山賊という肩書はどうやら外れなかったらしい。
この王国の首都「キィンベル」は錬金術と
とある不思議な法により栄える街なんだとか。
錬金術は、一見何の関係もないものを組み合わせて
全く違うものを作り出す不思議な術。
中にはモノだけでなく人の幸福を錬金してしまう、すごいのもいるとか。
もう一つはよくわからないが、なにやら占い師のもっと強力なやつらしい。
(まぁ、ティアの場合「占い師=デュエリスト」だから、ちと違うものだと思うが)
これにより約束された未来と、錬金術がもたらす豊かさにより
人々は幸福に暮らしている…らしい。
らしい、というのは、先読みされた未来を生きることが
本当に幸福なのか?という疑問が私の中に引っかかるためだ。
…ところで先程からこちらを見ている人がいるのだが。
** 『あなたが噂の山賊さんね。』
り 「山賊ちゃうねんて。」
** 『ぇーでもほらここ。「自爆の得意な山賊が私を助けてくれる」って
これあなたでしょ?街中で噂になってるよ。』
り 「…(´_ゝ`)」
…どうやら私は「割と無害だが得意技が自爆の山賊」
ということになったらしい。
取りあえず幼き日「ボンバー〇ンごっこ」を発案した姉は
次会った時にでもシメるとしようか。