※本件、Ver4.0およびそれ以前のネタバレを含む可能性があります。
閲覧の際は、ご注意ください。
【前回までのあらすじ】
古のエテーネ王国にて
『国民を巻き込んで自爆する可能性あり』として逮捕された私は
1年の刑期の最中、刑の変更により斬首刑を言い渡される。
刑執行直前、同じく時を超えて古のエテーネに渡ってきた
妹(ピコン)と幼馴染(シンイ)の乱入により斬首を回避、逃亡に成功する。
しかし、上空に浮かぶ王宮から地上への転送装置は止められ
エテーネルキューブは封じられたまま。
孤立無援の状況下、脱出の目途が立たないまま、持久戦を強いられていた。
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* 『侵入者を発見』
ピコン 『もー!この回廊、隠れるところがなさすぎるのよ!』
りゅうせき 「セキュリティ面では最適解ござるな」
ピ 『ス○ークさんでもお手上げ?』
り 「スネー○さんは段ボールかぶればいけるから」
シンイ 『緊張感がありませんね…ほら、後ろからも来てますよ!』
王宮からの脱出を目指す私達は
転送装置、あるいは宮殿の浮遊装置の制御を得るべく
…というのは後付け理由で
ぶっちゃけ王国軍の猛攻から逃げまくった結果
中枢と思しき所へたどり着いた。
入るのに専用のカギが必要な扉があったのだが
イケメン補正をかけた幼馴染により
デレて自分から開いた。
シ 『流赤さん、その説明はちょっと』
ピ 『扉まで口説いちゃうなんて、シンイさん節操なさすぎじゃない?』
シ 『口説いてませんてば。全く、二人揃うとどうしてこうめんどくさいんですか』
り+ピ「『姉がああなので』」
シ 『…あぁ、うん、そうですね。』
さて、無駄口をたたいているように見えるが、実はあまり余裕がない。
回廊に入ると、王国軍に回廊のセキュリティである魔法生物も加わり
攻撃はさらに苛烈さを増していった。
シ 『こう激しいと流石に消耗しますね』
り 「魔力は渡すから耐えて欲しい。殺すのはNG。OK?」
ピ 『言われなくても』
加えて、本気で殺しに来ている王国軍に対し
罪を否定しなくてはいけないこちらは、魔法生物含め
相手を殺すわけにはいかなかった。
シ 『…随分理屈っぽいですね』
り 「当然、感情的に、殺したくないだけなんだけどな。
生活や強くなるために魔物を大量虐殺してきた冒険者に
今更道徳めいたことを語る資格があるとは思えぬでござるよ」
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数時間後、私達はとうとう袋小路の一つに追い詰められた。
シ 『ハズレを引きましたね…!』
ピ 『この場所の部屋割り知らないものね。どうするの?ジリ貧ぽいけど』
り 「ふむ、おまけにちと面倒なことになった」
私は苦い表情をしていただろう。
「おまいさんとはやりたくなかったのだが」
『残念ながらここまでだ、脱走犯』
看守のカートが、静かに槍を構えていた…。
(続くらしい)