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ベサワキ専属護衛神官

りゅうせき

[りゅうせき]

キャラID
: ZF978-766
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 106

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りゅうせきの冒険日誌

2020-02-02 14:37:48.0 2020-02-02 14:52:30.0テーマ:その他

そして匣は沈黙を破る⑤

※本件、Ver4.0およびそれ以前のネタバレを含む可能性があります。
 閲覧の際は、ご注意ください。


薄暗い空間に剣戟の音が響く。

カート  『王宮中の兵士を下した割には一撃が手ぬるいな』

カートが槍を大きく横に薙ぐ。

りゅうせき「スーパーアーマー状態で槍振り回す看守とか聞いたことがないぞ
      ロ○ドランの黒騎士かお前は」

すかさず後ろに飛び退いた私は、先程貫かれた脇腹を押さえた。

ピコン  『ちょっと、あんまり余裕ないんだから怪我増やすんじゃないわよ!』

妹が敵兵の攻撃を受け流しつつ【太陽】と【教皇】のカードを投げる。

脇腹の傷を塞ぐと同時に、タロットの加護が身体を覆った。

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エテーネ王宮からの逃亡を図った私達は

牢屋の看守、カート率いる人間兵/魔法生物の混成部隊により

袋小路へと追い詰められ、やむなく刃を交えた。

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看守のカートは予想外の強さを誇り

並みの兵士に用いてきた攻撃ではびくともしない上

命中率の高い【一閃突き】に【さみだれ突き】など

一兵卒にあるまじき技の数々を繰り出してきた。

り  「ちと硬すぎやせんかえ…?」

カ  『ふはははは!!私のHPは5万だ!!!』

シンイ『カートさん、HPとか言っちゃいけませんよ』

ピ  『シンイさん、ツッコむとこそこじゃないと思うの』

何そのデタラメな数字。


カ 『終わりだ!』

彼の槍が紫電を纏う。

り 「おわっぷ!?何考えてんだ!こんな混戦状態で大技使うんじゃない!!」

制止も間に合わず、槍は地面に突き立てられた。

この看守、この状況で【ジゴスパーク】をぶっ放したのである。

放たれた雷は我々や兵を含め、その場にいた人間を吹き飛ばし

槍の突き立った地面や付近の壁にいくつもの亀裂をつくった。


とっさに側転し受け身をとった私は、間髪入れずカートに飛び掛かった。

我を失った怒りの一撃に、槍を引き抜いたカートが応じる。


り 「そんなに殺し合いたいか貴様…!!!」

カ 『いや、その必要はない』

り 「!?」


切り結ぶ瞬間、カートは私にしか聞こえない声で言った。

飛び退いてもう一度打ち合う。


カ 『安心しろ、仲間には事前に伝え、敢えて受けてもらっている。無事だ。』


周囲を見回す。向こうでうなずいているのが見える。よく見ると見知った顔だ。

意図を理解した私は冷静さを取り戻した。


カ 『壁にヒビを入れた。あと一息で壊れるだろう。
   確かお頭の手持ち魔法は自爆ではなかったな?』

り 「ふむ。命ではなく魔力を放つ呪文だ。防ぐ術がある。
   …おまいさん、最初から茶番にするつもりだったのか」

カ 『兵の負傷の具合を見れば、お頭の考えなど大体わかるものだ。
   私含め全員に魔結界を張ってある。遠慮なくぶっ放して逃げろ。
   転送装置を再起動してある。入口へ引き返せ。』

り 「…HP5万はどうした?」

カ 『…そこはツッコまないでくれ。ちょっと言ってみたかっただけだ』

HP5万さんは微妙に恥ずかしそうにそう宣った。



振り向くと、妹も誰からか聞いたようだ

気を使ってその場の全員に【世界】のタロットを使っていた。

全ての戦闘参加者に【マホステ】がかかる。

それを確認した私は徐々に魔力を練り上げた。



魔力を練りながら私は考えていた。

周りが味方である安心感からか、気が抜けたのだろう。

長い半年間だった。

いろんな人と知り合った。助け合った。傷つけ合いもした。

いろいろなものが溜まったまま去ることになる。

いつか諸々清算できる日は、来るのだろうか、と。





練り上げた魔力が臨界点に達したその時。

『バァン!』とドアが勢いよく開かれた。入ってきたのは王様である。





ドミネウス王『間に合わなんだか…ッ!』

り     「大丈夫、自爆じゃないし、誰も死なない。」


しかし。



ド 『あー、その、な。先日神殿の省スペースのため
   科学者を呼んで宮殿の動力炉を移設したのだ…』

…どうしようとても嫌な予感がする。私は心の中でBボタンを連打していた。











ド 『…そこの床下に』

現場一同「『『『『『『『『ウッソだろお前』』』』』』』』」









2秒後、エテー王宮最奥、時見の神殿は、大爆発を起こした。






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