※本件、Ver4.0およびそれ以前のネタバレを含む可能性があります。
閲覧の際はご注意ください。
り 「―――だ、そうだ」
ピ 『ほむ』
シ 『はぁ』
流石の二人もこの超展開にはついていけなかったらしい。
大丈夫、私もだ(ヽ''ω`)
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キィンベルに到着した私は、ピコン、シンイと宿をとり
我々の意識がない―――もとい
死んでいる間に更新された、冒険日誌を確認した。
本来、冒険の書は本人にしか更新ができないが
姉がハッキングして、強引に記録を取ったようだ。
記録により私達は
・あの場にいた全員が一度死んでいたこと
・かつて敵対した竜神様と、時空ハッカーである姉が
王宮の墜落を防ぎ私達を蘇生したこと
・エテーネルキューブを接触させると何かが起きること
・国王の謎の挙動との関連が示唆される”黒いオッサン”の存在
…などなどの情報を得た。
事件の真相については情報が薄いが、無いよりはマシだった。
シ 『まぁ、その辺については別途考えましょうかね』
り 「それがいい。姉ちゃん絡みの話なのもあって
事がここだけに留まるとは考えにくい。
別のところで何か起きるじゃないかな」
ピ 『ねぇ。この、エテーネルキューブって何?』
り 「時間移動に必要な箱みたいなもんだな。
おまいさん達も持ってるんじゃないのか?」
ピ 『これ?』
り 「えっ」
ピ 『えっ』
互いに取り出したものは想像していたものと大分違ったようだ。
というかこれは…
筐体こそ銀色だが、とても見づらそうな真っ黄色の液晶画面。
十字キーに、START SELECTボタン、A Bボタンの
シンプルなキー配置。
慣れた手つきでスイッチを入れると――――
\みこーん!/
り 「おまいさん達、ゲームボ○イで時渡りしてきたのk」
姉は何てものにシステムを組み込んだのか。
シ 『流赤さんのは随分複雑そうな機械ですね』
り 「OSとインタフェースの相性が最悪でな。すごく使いにくい」
Windows8.0Compact。
タブレット前提のOSでタッチ操作系無しは致命傷だろう。
そういう意味では、妹達の端末は必要最低限の機能と
必要十分な操作感で、随分と改良が施されていた。
それをこの化石みたいな8bitマシンにブチ込んだのは
姉の皮肉だろうか…?
ピ 『接触させてみましょ』
私と妹は互いのキューブをコツンと当てた。
GBの黄色い液晶画面に『しょうにん かんりょう』と表示され
私のキューブが発光、熱を持ち始めた。
やがて\ポロローン/というWindowsでよく聞くあの音とともに
『アクティベートが完了しました』というダイアログが表示された。
どうやらこれで使用許可が下りたらしい。
り 「…やっと帰れるのか」
シ 『長かったですものね、お疲れ様です。』
り 「全くだ」
ピ 『すぐ帰る?』
り 「いや、明日みんなにお詫びをしてからだな。
いろんな人に迷惑かけまくった」
ピ 『そっか』
そんなわけで今日は寝ることにした。
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次の日、私達はご迷惑をおかけした兵隊さんたちへ
お詫び参りをして、昼頃に街を出ることにした。
(もちろん服も調達した)
出口では、兵を代表して、カートと
服役期間中のクライアントであった錬金屋のシャンテさんが
預けっぱなしにしていた剣と盾を持って、見送りに来てくれた。
り 「ありがとう、武器持ち歩くと街の人の不信を煽りそうでの。
もう暫く預けておこうと思ってたんだが」
シャ 『私もそれでもよかったんだけど。
…面白いお爺さんね、とっても楽しかったわ』
り 「それはよかった。
機会があればまた話し相手になってやってほしい。」
そういって黒いボロボロの剣と、使い古しの盾を受け取った。
―――この会話の意味するところについては、また別の機会にでも話そう。
カ 『また来る機会はあるか?』
り 「根拠はないけど、多分そうなる気がする」
カ 『そうか、ではまたな。次来たら、また手合わせ願いたい』
り 「それはちょっと嫌だなぁ」
私は少しだけ苦笑いした。
シ 『そろそろ行かないと』
ピ 『おいてくわよ』
り 「へいへい、じゃぁ、またの。」
かくして、私達はキィンベルを後にした。
~ そして匣は沈黙を破る 了 ~