遅くなりましたが、『男女別種族分布の計算』の続きです。
コメントをくださった方々、ありがとうございました。
答えは定まらないという結論になりそうですが、極力抗ってみます。
まず、前回立てた方程式のおさらいです。
(エルフ男:em、エルフ女:ef、ウェディ男:wm、ウェディ女:wf、オーガ男:om、オーガ女:of、プクリポ男:pm、プクリポ女:pf、ドワーフ男:dm、ドワーフ女:df、人間男:hm、人間女:hf)
em+ef=17 …(1)エルフの割合
wm+wf=14 …(2)ウェディの割合
om+of=12 …(3)オーガの割合
pm+pf=21 …(4)プクリポの割合
dm+df=9 …(5)ドワーフの割合
hm+hf=27 …(6)人間の割合
em+wm+om+pm+dm+hm=48.6 …(7)男の割合
ef+wf+of+pf+df+hf=51.4 …(8)女の割合
wm*37.2/(100-37.2)+em*31.3/(100-31.3)+om*54/(100-54)+dm*19/(100-19)+pm*9.8/(100-9.8)=hm …(9)人間男の割合
wf*36.1/(100-36.1)+ef*24/(100-24)+of*27.9/(100-27.9)+df*14.8/(100-14.8)+pf*16/(100-16)=hf …(10)人間女の割合
で、(9)と(10)が少しわかりにくいのですが、これこそが、繋がらなかったはずの種族と性別を繋げてくれる大事な式なので、少し解説します。
まず、アストルティアで人間の姿をした冒険者は、皆どれかの種族から人間に戻った姿です。
そのため、人間の人数は、各種族から人間に戻った人数の和として表されます。
ウェディ男から人間に戻った数+エルフ男から…+プクリポ男から人間に戻った数=人間男の数 …(A)
で、人間に戻った数というのは、その種族を選んだ人数と人間戻り率から算出できます。
例としてウェディ男で考えてみます。
ウェディ男から人間に戻った数=最初にウェディ男を選んだ数*ウェディ男の人間戻り率 …(B)
同様に、人間に戻らなかったウェディ男の数も算出できます。
ウェディ男の数=最初にウェディ男を選んだ数*(100-ウェディ男の人間戻り率) …(C)
(C)を変形すると、ウェディ男の数から最初にウェディ男を選んだ数を計算できます。
最初にウェディ男を選んだ数=ウェディ男の数/(100-ウェディ男の人間戻り率) …(D)
(D)を(B)に代入すると、ウェディ男から人間に戻った数をウェディ男の数で表せます。
ウェディ男から人間に戻った数=ウェディ男の数*ウェディ男の人間戻り率/(100-ウェディ男の人間戻り率) …(E)
(E)を(A)に代入して、他種族も同様にすると、次のようになります。
ウェディ男の数*ウェディ男の人間戻り率/(100-ウェディ男の人間戻り率)+エルフ男の…=人間男の数 …(F)
同じパターンで長すぎなんでエルフ以降省略しました。
(F)の両辺をアストルティアの総人口で割ると、数が割合に変わります。
ウェディ男の割合*ウェディ男の人間戻り率/(100-ウェディ男の人間戻り率)+エルフ男の…=人間男の割合 …(F)
これらの割合は冒頭で短い文字列を割り当てていて、人間戻り率は具体的な数字があるので、置き換えると、(9)式ができます。
(10)式も同様にして作ることができます。
で、(1)~(10)式だけだと、データ不足により、値が全く定まりません。
前回も書いたとおり、無理に計算しても、変数3つが未知数のまま残るのです。
ですが、統計の性質上、どの変数にも元々の有効範囲があるので、それを使って、計算上の有効範囲を定めることができます。
例えばですが、0~10の範囲を取る変数AとBがあったとして、
A=6+0.5*B
という等式があったとすると、
・B=0のときAは最小値6
・B=10のときAは最大値11
になります。
Aは元々10以下なので、最終的なAの範囲は、6~10となるわけです。
今回の問題においては、次のようになっています。
emとef:0~17
wmとwf:0~14
omとof:0~12
pmとpf:0~21
dmとdf:0~9
hmとhf:0~27
これを使えば、例みたいに元々の範囲をはみ出すことさえなければ、範囲を絞り込むことができます。
そう、はみ出すことさえなければ…。
結論を書くスペースがなくなったので続きます。