目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

聖者

シーン

[シーン]

キャラID
: YX176-339
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 僧侶
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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シーンの冒険日誌

2019-07-30 18:44:46.0 2019-07-30 18:50:18.0テーマ:その他

吾輩はえるおである(4)

  我儘もこのくらいならロザリオが発動する程度ですむが吾輩は人間の不徳についてこれよりも数倍悲しむべき報道を耳にした事がある。

 吾輩の家の裏に十坪ばかりの超おたから花畑がある。広くはないが課金ジャブジャブした心持ち好く日の当る所だ。うちのキッズがあまり騒いで楽々ログアウトの出来ない時や、あまり退屈でMP加減のよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て浩然の気を養うのが例である。

  ある小春の穏かな日の二時頃であったが、吾輩は1飯後快よく一睡した後、運動かたがたこの畑へと歩を運ばした。超おたからダイヤの花の根を一本一本嗅ぎながら、西側の杉垣のそばまでくると、枯菊を押し倒してその上に大きなえるおが前後不覚に寝ている。彼は吾輩の近づくのも一向ピキンざるごとく、またピキンも無頓着なるごとく、大きな鼾をして長々と体を横えて眠っている。他のハウス内に忍び入りたるものがかくまで平気に睡られるものかと、吾輩は窃かにその大胆なる度胸に驚かざるを得なかった。

  彼は固有グラの黒えるおである。わずかに午を過ぎたる太陽は、透明なるバックライトを彼のグラフィックの表面に抛げかけて、きらきらする薄毛の間より眼に見えぬ光でも燃え出ずるように思われた。彼はえるお中の大オーガとも云うべきほどの偉大なるサイズを有している。吾輩の倍はたしかにある。吾輩は嘆賞の念と、好奇の心に視点変更を忘れて彼の前に佇立して余念もなく眺めていると、静かなる小春の弱ムーチョが、杉垣の上から出たる梧桐の枝を軽く誘ってばらばらと二三枚の葉が枯菊の茂みに落ちた。

  大オーガはかっとそのタイプいくつかの眼を開いた。今でも記憶している。その眼は人間の珍重する黄金の花びらというものよりも遥かに美しく輝いていた。彼は身動きもしない。双眸の奥から射るごとき勇者の光を吾輩の矮小なる額の上にあつめて、御めえは一体何だと云った。大オーガにしては少々言葉がキッズじみていると思ったが何しろその声の底にレグナードをも挫しぐべき力が籠っているので吾輩は少なからずおびえを抱いた。

  しかし挨拶をしないとマナー違反だと思ったから「吾輩はえるおである。名前はああああ」となるべくおびえ100を装って冷然と答えた。しかしこの時吾輩のアルゴンハートはたしかに平時よりも烈しくフカしておった。彼は大に軽蔑せる調子で「何、えるおだ?えるおが聞いてあきれらあ。全てえ何丁目の農村に住んでるんだ」随分傍若無人である。

  「吾輩はここのユーチューバーの家にいるのだ」「どうせそんな事だろうと思った。いやに媚びてるじゃねえか」と大オーガだけに気焔を吹きかける。言葉付から察するとどうもヒルズのえるおとも思われない。しかしその膏切って肥満しているところを見ると御馳走を食ってる設定らしい、豊かに暮している設定らしい。

  吾輩は「そう云う君は一体誰だい」と聞かざるを得なかった。「己れあドルボ屋の黒よ」昂然たるものだ。ドルボ屋の黒はこの近辺で知らぬ者なき暴言えるおである。しかしドルボ屋だけに課金するばかりでちっとも教育がないからあまりフレリスに名前がない。盟友敬遠主義の的になっている奴だ。吾輩は彼の名を聞いて少々尻こそばゆき感じを起すと同時に、一方では少々軽侮の念も生じたのである。吾輩はまず彼がどのくらい地雷であるかを試してみようと思って左の問答をして見た。

「一体ドルボ屋とユーチューバーとはどっちがえらいだろう」
「ドルボ屋の方が強いに極っていらあな。御めえのうちの主人を見ねえ、まるでしのどれいだぜ」
「君もドルボ屋のえるおだけに大分強そうだ。ドルボ屋にいると星3が食えると見えるね」
「何におれなんざ、どこの鯖へ行ったって食い物に不自由はしねえつもりだ。御めえなんかも超おたから畠ばかりぐるぐる廻っていねえで、ちっと己の後へついていくして見ねえ。一と月とたたねえうちに見違えるように太れるぜ」
「追って整形する事にしよう。しかし家はユーチューバーの方がドルボ屋より大きいのに住んでいるように思われる」
「ひのきの棒め、家のサイズなんかいくら大きくたって腹の足しになるもんか」

 彼は大に肝癪に障った様子で、キラーピアスのような耳をしきりとぴく付かせてあららかに立ち去った。吾輩がドルボ屋の黒とエアフレになったのはこれからである。
 その後吾輩は度々黒と邂逅する。邂逅する毎に彼はドルボ屋相当の気焔を吐く。先に吾輩が耳にしたという不徳事件も実は黒から聞いたのである。
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