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調理を継ぐ者

ティソナ

[ティソナ]

キャラID
: ZV419-388
種 族
: ドワーフ
性 別
: 女
職 業
: バトルマスター
レベル
: 106

ライブカメラ画像

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ティソナの冒険日誌

2015-01-16 17:27:47.0 テーマ:ハウジング

とあるガタラの貸倉庫前。

家を建てたと聞いたときは気にもしなかったが、畑の世話を頼むと言われたとき
は驚いた。
「お願い!報酬(ジェム)を払うからさ、畑に水をやって。他に頼めないの!」
・・・神父をなんだと思ってやがる。
「だってー」
だってじゃねぇ!まったく・・・

井戸から如雨露に水を汲む。
おっと、今回は特別サービスだ、レアをたくさんつけろよ。
レア水と書かれた小瓶の蓋を空けて、中身を如雨露に流し込む。
それを、小さな畑に巻いていくわけだ。
小さいと言っても、8か所位は巻かなけりゃならないからそれなりに手間もかかる。
主が忘れ去った水やりに、肥料の追加。
意外に面倒な作業でもある。

カキン!シュボ。
ふぅ~
教会専売品を燻らせ、壁に腰を軽く預けると軽い労働後の疲れがここちよく感じる。
ここに来るまでに降っていた雪も止み、空も青く輝いている。
お、虹が出てるな・・・そうか、アイツの鉢植えに水をやった時以来か。
だが、美味いタバコを吸うたびに、思うことがある。
・・・この御嬢さんは俺に恨みでもあんのかね?

音も光も最低限な奇襲用のルーラ。
現れたのは、翡翠の髪のメイド。10人擦れ違えば、間違いなく9人は振り向く
掛け値なしの美少女だ。
そんなものより、空のありふれたエンターテイメントから目をくれてやる気には
なれずに口を開く。
俺にルーラストーンでもつけてんのかね。

「ふふ、それも面白そうですわね。」
毛玉につけとけ。
「アレにですか?ふふふ、考えておきます。」
で、ご用件は?
やっと目を向けると、カテーシーをするメイドの後ろに、大柄な青年が立ってい
るのが見えた。
彼の種族はオーガ、服装は執事のスーツを身に着けている。
まったく気配に気づけなかった・・・か。油断?違うな、なるほどコイツも・・・

「今日は貴方様にぜひ、彼にあっていただきたたく思いまして。」
気配を殺して立つのは感心せんな。
見るところ、あのバカヤローのコンシェルジュか。
「は、エルシドと申します。」
・・・エルシド、ね。
いくばくかの思いを巡らせるが、俺は賢者の沈黙を選択した。
「気配を消すのは癖のようなものでして。雇用のあかつきには努力いたします。」
うやうやしく非礼をわびる姿は、悪い印象は無い。無さすぎて胡散臭いくらいだ。

「エルシド様は、仕事を求めておられます。あと、お嬢様からコンシェルジュを
探すようにお願いされていましたので、ご紹介にあがったわけです。」
事情は、分かった。俺が口出すことじゃねぇな。
「はい、わかりました。保護者様のお目通りもかないましたし、お嬢様にご紹介
いたしますわ」
・・・おい。
「はい?やはり、反対ですか?」
いや、お前さんが同業者を見立てて連れてきたってんなら、俺から言うことはねぇ。
「そうですか」
――――誰の差し金だ?――――
そう言いかけて、口を噤んだ。

家に張ろうとする二人を眺め、扉を閉めようとするタイミングで青年に声をかけた。
「”余計な事”は、するな。俺が言いたいのはそれだけだ。」
エルシドと名乗る彼は、声では無く深々と頭をさげて見せる。
扉が閉まるのと、ほぼ同時にヤカマシイ娘のルーラの気配がする。
俺は気づかれないようにルーラを使う。

去り際に小さい悲鳴のあと、ガラガラと音が鳴り響く。
あ、いけね。出しっぱなしの如雨露とか肥料とか片付けてなかった。

『びぇぇぇ』

情けない鳴き声が玄関先で響き、エルシドの最初の仕事がめでたく決まった。
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