「む、何だ?ひいじい。」
「この村、めっちゃ乾燥してますよね?」
「そうか?」
「ええ、リップクリームが手放せません。」
「ワシは何も感じないが?」
「あ、感じないと言えば、この村の人、寒さ感じてるのか感じてないのかわかんないスよね?」
「うん?」
「いあ、外出たら銀世界なのに、村人は布一枚。狂気の沙汰ですわあ。」
「ふむ。」
「この間、寒いって震えてる子にマフラー渡したら『あったかい』って言ってましてね?でも、その子の格好ったら・・・」
「うむ。」
「半 裸 な ん で す よ 。」
「ふむう。」
「思わず『服を着ろ!』ってツッコミそうになりましたが、グっとこらえました。」
「いつもこういった格好だからのう、何も思って無かったわ。」
「あ、そういえば村王も、ラギでこごえて行き倒れになりかけたとき、そのベスト一枚でしたよね?」
「むう・・・。」
「それをふまえて一言提案したいのですが・・・。」
「なんだ?」
「ア ン タ ら 、 服 を 着 ろ 。」
-あとがき-
軽装で雪の中行き倒れになった人を何度も助けるほどお人好しではないのです。