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聖銀のもふもふ

プロメテウス

[プロメテウス]

キャラID
: GT942-415
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 102

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プロメテウスの冒険日誌

2017-08-17 23:09:26.0 2019-06-09 22:48:53.0テーマ:その他

『光の王子と闇の王子』3話  魔剣

薄れていた意識が、やっと戻ってきた。
まだ蹴られた腹部が痛くて仕方がない。
無残にも壊され、荒れ果てた広場にある玉座へ
従者に支えられながら、シャルドネがよろよろと向かっていく。
胸が締め付けられた。
身体の奥底から熱い何かが込み上げてきて、震える唇を噛み締める。
目の前に力無く倒れている二人を、今はただ見つめていることしか出来ない。

「我が主よ。全知全能の神よ。
 今、ひとたびこの者達に命の息吹を与えたまえ。
  "ザオラル"!!」

賢者クラックスが呪文を唱えると、国王とお妃の
周りに魔法陣が現れ二人の体が光に包まれる。

「ん!?」

クラックスの眉間に皺がよる。
光が消えた後に、両親が起き上がってくる気配がないのだ。
何度か呪文を唱えるものの結果は変わらなかった。
横たわる国王の首筋に触れ、一層険しい顔になる。

「魂の鼓動を感じないが、これは・・・」

口元に手をあてがい、苦渋の表情になった彼は
隣に居合わせた魔法使いの男と何やら話し始めた。
病気や寿命ではない限り、魂を呼び戻せる筈の呪文
"ザオ"が効かないなど、今までに無かったのだ。
その場に居る者達は皆、動揺を隠せないでいる。
シャルドネもまたその一人だ。
自分に双子の兄弟が実在した上に
まさか、己の両親に手を出すなんて・・・
頭の中で思考がぐるぐると回っている。

「・・・たぶんそうやろな」

兄と話していたド派手なピンク色の頭の男と
目が合い、シャルドネの背筋がピンと張る。
こちらに近づいてきたその男は、紫水晶を思わせる
魅惑的な瞳でずいっと顔を覗いてくるなり
花が咲いたようにニカッと白い歯を見せて笑うと
大きな手でシャルドネの頭をわしゃわしゃと撫で回した。

「坊主、安心しな。お二人さん死んでないで」
「え!?」

励ますように頭をぽんぽんと軽く叩くと
先程とは一変、酷く悲しそうな光を瞳に宿した。

「しっかし、あんたの片割れ。
  厄介なモノ持ってるで・・・」

この男は、隣国アラハギル王国のぺけに王子。
魔法に長けたその国きっての優秀な魔法使いの一人である。
我が国グランゼリア王国とは同盟を組んでいて
クラックスとは昔ながらの親友である。
今回の舞踏会に招待され、偶然こちらに赴いていたのだった。

「兄上、これはいったい・・・」

ヨシミが父の頬に手をやると、確かに冷たくもなければ、顔色も悪くない。
ただ眠っているかのようだ。

「私から説明しよう」

考え込んでいたクラックスが口を開いた。
まず、二人の魂が降りてこない為に、呪文が効かない状態にあるという。
その魂の行方として考えられるのが
先程の男が持っていた剣が『魔剣』であった場合
その剣に、魂を封じ込めることが出来る力を持っている。
傷口からの出血は明らかに少なく
体の硬直が見られない上に冷たくなっていないのは
魂を『魔剣』に抜き取られたからだと考えられるとのことだった。
今、国王とお妃の二人は仮死状態にあると言える。

「つまり、さっきの男から『魔剣』を奪い
  魂を解放する必要があるってことや」
「うむ。何が目的かはわからぬが
  我々はあの者達を追う必要があるな」
「俺も・・・俺も一緒に行く!」

意を決して声を発した。
大人達は一斉にシャルドネを見る。

「シャルドネ。
  それは出来ない。わかっているだろう?
 私達に任せておきなさい。ヨシミ、後を頼む」
「はい。さぁ、部屋に戻ろう」

ヨシミに即されシャルドネは自室に戻っていった。
手から血が滲み出るほど拳を握り絞めていたことに
誰も気付くことはなかった。

その夜。
国王とお妃二人の為に、色とりどりの花が
敷き詰められた水晶細工の美しい棺が用意された。
第一王子クラックスは、ぺけに王子と共にその晩の内に城を後にした。
悲しみに沈む王国をこれから支えていかなければならない為
第二王子ヨシミが王座に着くこととなり
国中がその話題で、暫く持ちきりになるだろう。
そして第三王子シャルドネは、未だかつてこの城から出たことが無いまま
暗い自室のベッドに横たわり、窓から見える星達の煌めきを眺めていた。
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