えのころの冒険日誌

連投の通知が煩くてすいません。


砂漠の先のファラザードは、まるでバザールの様な商人の世界であった。
しかし、商隊が襲われて物価がインフレしており、ちょっとヤベェらしい。

聞けば、シシカバブという料理（の名前）が、裏町では知名になってきているらしい。
このままでは、表通りまで食ってかかられてしまうどころか、シシカバブが撒いた種によって暴動が起きかねない。
従ってよく分からない禍々しい扉を開けと言われ、何となく開くと、店が再開した。
だが、シシカバブは納得しなかったらしく、地面に果し状を置いて主人公を呼び出した。
まぁ戦いになったのだが……私としては、ボンジリの前口上が素晴らし過ぎてそちらに印象を持っていかれた。
分かるか？　この、虎（豚だけど）の威を借りようという小物感を、あたかも自信満々に、相手を馬鹿にし腐った態度でコーティングしつつ、やっぱり噛ませじゃないかというこの感じ！
なんと素晴らしい、120点満点だよ！

おや、ボンジリをご存知無い？
ほら、あの最初に荷車の陰でドラゴスライムと寸劇をやっていたきりさきピエロだよ。

そんな風に適当に事件を解決すると、城に呼ばれた。城の造りは、「相手を油断させるために豪華」みたいな話をしていた。
まるでヴェリの城を更に広くした様な開放感と、水をふんだんに使い、贅を尽くしたその城からも、ファラザードは根っからの商人の国家と取れた。
ーー相手の求める物を探し、それを材料に取引を行う。
ーー物の価値の変化に敏く、いつも未来の利益を見据えて物を考える。
だから、その玉座にユシュカが腰掛けるのは、至極自然であった。

当たり前だろ、あんな小汚い魔王の使者がどこにいるというのだ。
今時魔王の使い（モンスター）だって、もう少しまともなものを身につけているさ。

それよりも、私はナジーンさんに注目したい。
彼は、魔族にしては珍しい黒髪はもちろん、砂漠のど真ん中だと言うのに、真っ黒な服を着ているのだ。
パないとしか言いようがない。
だが、話してみると分かるこの親切で真面目で苦労人な感じよ。
ユシュカに幾度となく煮え湯を飲まされてきたとしか思えない彼に、ユシュカは面従腹背でも良いから従ってみせるべきなのに、下手に口答えするから倍返しをされるのだ。
ナジーンさんは、ユシュカ考えをお見通しなんだよ。それでも付き従っている意味を察しよう。
夫婦喧嘩は他所でやれ。
まぁ、主人公にはアンちゃんがいるからいいよね。

部屋に来たナジーンさんは、「魔族にする儀式は禁断の儀式で、生き残ったのは奇跡に近い」と暴露した。まぁあんなヤベェ術がほいほい使えた方がまずいから、それは理解できた。
だが、これが邪な人にバレたら成功例であるユシュカを研究材料に、人を魔族にする為の魔族を量産・洗脳するシステムでも作られてしまうぞ。
何故それを断れない代表のティア民、勇者より冒険してあちこちに行っては苦労をする盟友君に行ってしまったのか。
主人公が感染病に罹患したら、それまでの拡散スピードなんて比じゃない位に爆発的に患者が増えるんじゃないかと思う程度にあちこち出勤しているのだが。
ところで、ユシュカはこの魔族化が成功する事を疑っていなかったのは、彼が「雑種」だからなのか？
こんな人間みたいな肌の色、独特の黄色い目をした魔族なんて他にはどこにもいなかった。
爪だって……アスバルのを見てよ……長いし黒いよ。憎しみを込めて握りしめたら手に刺さるよ。

それは良いとして、頼まれ事をほいほいと解決していく主人公は、何故か「うちの子にならない？」と里親募集中の子猫でもここまで引く手が数多じゃないだろうと思う程度にはスカウトを受けていた。
まぁ、商人は使えるものなら猫の手でも使うし、主人公は使える子だから仕方がないね。
ずっとDQ10やってる人なら、これまでこなしたクエストは軽く4桁いくから、人からの頼まれ事なんて片手間で済ましちゃうクエストマスターだからね。
しかし、しもべがどのような位置づけなのかは未だ謎である。

遂に魔神卿に会って肌の色を治してもらう日、ユシュカは遂にまともな服を着た。
ザンクローネの服装から英雄感を抜いて、魔族感とアラビア感を足したらこうなるかも知れないという、色は熱いが涼しそうな服であった。
正装とは言うが、露出が上がり、防御力は下がらないのだろうか。
それは今更か。
因みに、部屋で休まずに一目散に門の前まで行って何もイベントが起こらないことに首を傾げていたえのころの姿は秘密です。
思ったんだけど、主人公がストーリーで寝泊まりするのって、大体あばら屋か、宿屋か、屋敷や城の良い客間か、牢屋かじゃないかな？
格差すごくない？

そして、とうとう扉が開いたのだった。

Q.主人公は一体どこに向かうのか。
A.扉ですね。