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ビギナーズラック

ジュセ

[ジュセ]

キャラID
: XZ412-052
種 族
: プクリポ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 124

ライブカメラ画像

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ジュセの冒険日誌

2015-09-17 20:01:07.0 テーマ:その他

【ジュセの旅行記】 四日目 ② 旅の終わり

カミハルムイ駅に到着した私達。時刻はお昼前で、丁度いい時間だ。
ホームのベンチに腰かけて列車を待つ。
「あと少しで来るわね。」
博士が見送りに、着いてきてくれていた。
「わざわざすみません。こんな所まで。」
「いいのよ、今日はフリーだし。いつもは城に籠りっぱなしだから、気分転換にもなるわ。」
博士はそう言って伸びをする。
言動や仕草こそフランクではあるが、この人も色々と抱えているものがあるのだろう。
横顔を見ながら、そんな事を考えていた。
ふと、汽笛の音が鳴る。
「ジュセー、列車きたよー。」
シュピが立ち上がり、列車を見ようとホームの白線に並ぶ。
「それじゃ、行きますね。」
「うん、それじゃね。…何かあったら、いつでも頼って。」
「はい。多分、無いと思いますけど。…本当にありがとうございました。」
私は心からお礼を言うと、シュピの元へ向かった。
丁度列車がホームへ入ってきた所だった。
「まったねー!ありがとー!」
シュピは大声で博士に挨拶をする。博士はそれを見てにこやかに手を振っていた。
私も最後に頭を下げ、シュピと一緒に列車に乗り込んだ。



「本当に、あっという間だったね。」
私は車窓から桜を見ながら、ぽつりとつぶやく。
「うんー。でも、ほんとに楽しかったよー。ジュセ、本当にありがとうねー。」
「寂しい?」
「ちょっとだけー。でも、久しぶりの家も楽しみだしー。それに、また行けばいいしねー。」
「そうだね。」
桜はだんだんと姿を消し、列車は深い森の中へと入る。
それを見て、終わってしまったことを実感する。
「ジュセー。」
「ん?」
シュピがふいに私の顔を覗き込む。
「そのー…なんか変というかー。雰囲気かわったねー。」
「え、どういう意味…?」
「うまくいえないけどー。なんか、すっきりしたというかー。あ、あれに似てる!お屋敷で見た、へんな像ー。」
私は武家屋敷にあった、土着信仰の象徴である木彫り像を思い出した。
「あー。ホトケ様とかいう?」
「そうそう、それそれー!」
シュピはぽん と手を叩く。
「む…。私はあんなにふくよかじゃないし。」
「ごめんごめんー。」
シュピはくすくすと笑う。
「まーなんというかー…。」
ぱっと顔を引き締め、片手を私に差し出す。
「これからもよろしくねー!」
「よろしくね。騒がしいコンシェルジュさん。」
私はシュピの片手を受け止め、この生活の続行を誓った。



こうして私達の旅行は終わった。
帰ってから、思い出を要所要所抜き出して旅行記を書いたものの、本当は書ききれない程、色々な事があった。
一分一秒が、かけがえのない大切な時間だった。
やろうと思えば、すべてを書き出すことだって出来る。
しかし、これを書いている今も、私達の人生という旅は続いている。
思い出に完全に浸ってしまうのは、すべてが終わってからでも遅くない。
少し休んだら、また出発しようと思う。
そう遠くないゴールへ、早く着きすぎないようにゆっくりと歩みながら。
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