「必ずこの国と君達を救ってみせる。ぼくが帰るまで待っていてほしい。」
パルカラス王立聖ピナヘト学院の女生徒は、今日も"かつての仲間達"に斧を振るう。
疫病の治療法を探すために旅立った宮廷魔道士の言葉を信じて、随分と長い間、独りで戦ってきた。
だがこの斧も、身体も、心も、限界が近いようだ。
約束の時になっても彼は帰ってこない。
一体いつまで待てば良いのか?本当に彼は帰ってくるつもりなのか?
その時。
一瞬生じた心の迷いにつけこまれ、彼女は窮地に追い込まれてしまう。
しかし不思議と、恐怖は無かった。
むしろ、安堵の気持ちが湧きあがるのを感じていた。
「神様など、どこにも居はしなかった。」