ねこの冒険日誌

GC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」に、
どっぷりと夢中になっています。

今のウクライナ情勢とも少し重なるストーリーで、
より感情移入しやすく、
キャラクターもまた皆魅力的で、
まだ1周目のノーマルの途中だけれど、
難易度を上げたり、縛りを入れたりして、
何度も周回したいと思うほどです。

ゲームのストーリーやキャラクターはこうあるべき！

そんなお手本のようなゲームと言えるでしょう。

ネバタレにならないような形で書くけれど、
特に素晴らしいと思った場面がありました。

「ファイアーエムブレム」はシミュレーションゲームで、
敵だけれど、顔グラフィックがあるキャラクターは、
特定の味方キャラクターで話しかけると仲間になる、
というお約束の要素があります。
誰で話せばいいかというのは、
ストーリーや会話イベントをしっかりと見ていれば、
ちゃんと分かるようになっています。

このシリーズが初めての人でもそのシステムに慣れた頃、
とある味方キャラクターの親しい人が敵軍にいて、
戦わざるを得ない展開になります。
だから、その時だけは「連れて行かない方がいい」と、
そう忠告のような会話イベントが発生します。
そうするのが恐らくゲームとしては正解なのでしょう。

しかし、あなたならどうしますか？
その味方キャラクターと親しい人が敵軍にいる、
きっと話しかけることができて、
何かしらイベントが起こるだろうと思うと思うのです。
ストーリーやその味方キャラクターに感情移入していたら、
人情的に会わせてあげたい、
プレイした人の殆どはそう思うと思うのです。
そして、プレイヤーはどう選択するか、
またその後どうなり、
プレイヤーはそれをどう受け止めるか？

私はリセットしてやり直さず、
その事実を受け入れ、そのまま進める決断をしました。
「ファイアーエムブレム」の楽しみ方のひとつに、
全員生存プレイというものがあり、
私も1周目ながらそれを目指してプレイしていたけれど、
チャップがやられても面倒でやり直さなかったけれど(笑)、
辛い現実があってもちゃんと受け入れ、前に進む、
これもストーリーにリアリティと深みを与えることになる、
そう思ったからです。

そして、こうも思いました。
ゲームの理想的なストーリー表現とは、
ストーリーとゲーム性がちゃんと絡み合った、
こういうものなのではないか、と。

ただストーリーを描きたいだけなら小説でいい。
いや、むしろ小説で充分です。
小説の方が描写が細やかで、
ストーリーを描くという一点だけで言ったら、
小説には決してかなわないのだから。

それなのに、最近のゲームの多くは、
ドラクエシリーズも、ドラクエ10も、
長編ならストーリー性があると評価される向きがあり、
最近のゲームクリエイターの多くは、
ハードの容量が増えたのを良いことに、
ますますストーリーを長くし、台詞を多くし、
声優が声を入れれば豪華で感情移入できるだろう、
そのように思っているところがあります。

でも、プレイヤーはコントローラーを握っているのに、
選択するという決断もできるのに、
台詞を進めるために決定ボタンを押すだけ、
選択する場面があっても「はい」を選ぶことしかできない、
果たしてそれがゲームと言えるのでしょうか？
ゲームである必要があるのでしょうか？

別にマルチストーリーである必要はありません。
マルチエンディングでなくてもいいのです。
ただ、自分の選択で何かしらストーリーに変化が起こり、
自分の心に何かしらの想いが残る、
そういったものがあれば、
YouTubeなどで他人のプレイ動画を見るだけで満足せず、
いや、見たいという気さえ起こらず、
自分でそのゲームをプレイしたい、
その世界に入り込みたい、
そういう気持ちにもなると思うのです。

ドラクエ10の公式サイトのここには、
「おはなし感想広場」という場が設けられており、

・ストーリーの感想全般
・登場するキャラクターについての感想
・ストーリーで訪れる場所や世界観に対する感想

などの感想を求められていても、
ゲームならではのストーリー、
またゲームにおいてストーリーはどうあるべきかの追求、
そこまではやはり考えられていない印象を受けます。

ただ自分達の考えたストーリーやキャラクター、
ただそれだけを見てほしい、
それならばアマチュアの人も同人誌などで行っており、
大企業で、広く宣伝し、
お金を取っているプロの方も素人同然のそれでは、
私はあまりに寂しく、残念でなりません。