ねこの冒険日誌

今までどれだけの数のモンスターを倒してきたのだろう？

こちらに危害を加えるわけではなく、
中には笑顔のモンスターだっていたのに……

経験値やゴールドをくれてやるから、
あのモンスターを何匹倒してこい！
あのモンスターはレアアイテムを落とすから、
落とすまで倒してこい！
新しい呪文だ、特技だ、強化したものもあるぞ、
その威力をモンスターで試してこい！
叩き斬れ！ 燃やせ！ 息の根を止めろ！

ゲームなら当たり前？

わざわざこちらから出向き、虐殺行為を繰り返す、
そこに一体何のゲーム性があると言うのだろう？

自分よりも弱いモンスターを何百何千何万匹と倒し、
自分のレベルを上げる、
その行為にどうして何の疑問も抱かないのだろう？

ゲーム的には、
レベルが上がることにより成長を実感する、
強敵と戦えるようになる。

しかし、リアルの人間は、
強いものに挑んでこそ成長するものだ、
弱いものを倒しても何の経験にもならない。

強敵を倒すことよりも弱いものを効率良く数多く倒す、
その方がドラゴンクエストの世界では経験になるのだ。
おまけにゴールドまで手に入る。
リアルなら遺体からの略奪だ。

モンスターよりも主人公の方が悪に思えてならない。
何が勇者だ。
主人公の方こそモンスターだ。

ドラゴンクエストが続く限り、
鳥山明さんがデザインをしたキャラクターも残り続ける。
モンスターは倒される存在として永遠に……

私はドラゴンクエストをプレイしているし、
ドラゴンボールも読んだことはある。
けれど、鳥山明さんの大切な作品に対して、
私はあまりにも酷いことをしている。
ファンどころか鳥山明さんのことを語るのも失礼だ。

とても悲しい。
とても後ろめたい。

鳥山明さんのご冥福をお祈りします。