フィンクの冒険日誌

以前、「魂を映す鏡」の中で、
シンデレラについて書いたのだが、

久しぶりに、もう一度、
シンデレラについて紐解いてみたい。



まずは、おさらいからだが、

シンデレラの作中に登場する魔女の魔法は、

然るべき「原因」と、
それに相応しい「結果」とを、
単に結び付けているだけ、という事だった。



逆境にあっても挫けずに、
内面的な成長を遂げたシンデレラは、

王子様と結婚し、幸せになる。



過程は若干、
飛躍しているように思うかも知れないが、

原因と結果を並べると、
きちんと納得がいくのではないだろうか？



さて、今回の本題はここからである。


幸運だとか、不運だとか、
そんな話を一つ前にしたわけだが、

これを、
シンデレラにも当てはめてみたい。



まず、シンデレラの前に、
意地悪な継母と２人の義姉が現れ、
彼女を追い詰めたのは、不運だろう。

そして、
王子様と結婚するのは、幸運に当たる。


さして、考え込む事もなく、
多くの人は、だいたいこう捉えるはずだ。



しかし、今回、
僕が述べたいのは、
そういう表層的な事ではないのだ！！



よく考えてみて欲しい？



もし！


シンデレラが、


意地悪な継母と２人の義姉に出会うことなく、


平凡な日々を過ごしていたら、


果たして！


王子様と結婚するという幸運に、


彼女は、辿り着けていただろうか？


という事だ。



僕は、そうは思わないし、

また、同じ様に思う人も多いのではないか？



平凡な日々を過ごしていたにも関わらず、
ある時に、唐突に王子様と結婚した、


と、そう考える人の方が少ないのではないか？


だとすれば！

シンデレラが、
最終的な幸福に辿り着く為には、

乗り越えなくてはならない
試練があったという事であり、

それが、
意地悪な継母と２人の義姉との出会いだった、
という事になる。



もし、そうであるならば！


その不運は、果たして、


本当に、不運だったのか？


という事だ。



最終的な幸福に至る為に必要な事ならば、

その出来事が起こる事、それ自体が、

本当は、幸運な事なのではないだろうか？



原因があって結果がある、

この当たり前な考え方を、

「従因至果」（じゅういんしか）と呼ぶ。



それに対して、この、
シンデレラの例で取り上げたように、


結果から遡って原因が起こる！？


この考え方を、
「従果向因」（じゅうかこういん）と呼ぶ。



この考え方をする事で、
はじめて、
視えて来るものがある。


それは、生まれて来た意味、

とでも呼べばいいだろうか。



単なる偶然の成り行きで、
物事が起こっているわけではなく、

ある一つの結果に向かうべく、
原因が起こっているというのである！



王子様は未来の王であり、

だとすれば、

シンデレラは、未来の王妃となる。


厳しい試練に打ち克った
シンデレラの内面は磨かれ、

彼女の魂は、
小我を越えて、大我へと至った。



いつか、彼女が、

王を支え、政をする時、

きっと彼女は、

領民達から愛される、

そんな賢い王妃となるだろう。



彼女が打ち克った試練は、

彼女だけではなく、

多くの人々の笑顔にも繋がっている！



彼女の苦悩の日々は、

その為にこそ、あったのだ！



もし！？　実は！？

そんな結末に向かって、

彼女の人生に、

様々な出来事が起こっていたのだとしたら？



そんな風に、考える事が出来たなら、

僕らの人生も、

もう少し豊かになるのではないだろうか？