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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

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ザラターンの冒険日誌

2022-12-31 11:01:16.0 2022-12-31 12:11:35.0テーマ:その他

空を目指して(6)(※ver6.1までのネタバレ注意)

『 オオオ…何故棄てた…ハクオウ…
  漆と螺鈿でもって、見事に拵えた、
  某、最高傑作の鞘でござったのにィィ!


…悪鬼丸の嘆きを聞きながら、我々は
彼に促され、湿原の北西部を目指して歩いていた。
あの辺りは、特に何もない場所だと記憶していたが…

『 張り切って銘も刻んだんでこざるよ?
  【作・えびぷりぷり左衛門】と…ッ!


( そーれが原因だぁー!
( 間違いねぇな。
( しっ!


『 オオオ…お?
  見えて来たでござる。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


たどり着いたのは、
小さな社…のような場所だった。
こんなものがあったとは…
今まで気にも留めていなかった。


『 えびさん、ここは…?

『 コウリン王の墓…にござるよ。

『 なんだって…!? 


悪鬼丸は、手を二度打って一礼した。
とりあえず、こちらもそれに倣う。


『 上様…えびぷりぷり左衛門が
  迷い出でて参じましたぞ。
  死人が死人を悼むなど…
  もはや笑い噺にもなりませぬが。


信じられない事に、悪鬼丸に呼応してか
王の墓がほのかに光りはじめ…
人の姿が浮かび上がってきた。


( おお…懐かしい。
  えの字、えの字ではないか。

『 おお!上様ーッ!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 はっはっは!
  そうかあいつめ、鞘をな。


降臨したコウリン王…の亡霊は、
想像に反して、結構フランクだった。


『 笑い事ではござりませぬ!
  某の鞘を使うくらいなら、
  抜き身で持ち歩く方が
  まだマシだと言う事でありましょうか!


『 えの字。それは違うぞ。


捲し立てる悪鬼丸を王は優しく諌める。


『 剣とは、剣士の魂だと…
  聞いた事はないか?
  あいつほどの剣に生きた男なら
  その拘りも強かったことだろう。


…剣が魂ならば、
鞘は?と、王は続けた。


『 鞘とは、剣の止まり木。
  魂の、帰るべき場所。

『 !!


『 あいつが鞘を捨てたのは、
  差し違えてでも災厄を討ち、
  自らはもう、故郷の土を踏めなくて良い。
  …と言う、覚悟の表明だったのかもしれんな。


『 なん…と…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆
 

『 うおおおーん!
  ハクオウ殿ォオん!
  そうでござったのかーッ!!


涙の出ぬ顔で泣く悪鬼丸の身体が、
突然淡い光に包まれはじめた。
未練が消えた事で、現世に留まる理由が
無くなったのだろう。


『 えびさん、身体が…

『 そろそろお別れみたいだな。
  何やかんやで楽しかったよ。


『 おお…天へ…還る時でござるな…
  お主達には、まこと世話になった!
  そうだ、礼にこの銘入りの鞘を『そぉぉい!
  『 投げ捨てたアアッ!


…かくして悪鬼丸は、
笑いながら成仏していった。
スイゼンの澱んだ気も、おそらく
元に戻る事だろう。

声を上げて笑うコウリン王に一礼し、
我々はその場を離れた。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 コウリン王…金ピカだったな。


あの鎧が気に入ったのか、
ツキモリが珍しく感想を語る。


『 …ああ、金ピカだったな。



『 ハクオウは結局…
  どうすべきだったんだろうな。



『 そうだな…
 


『 ぎゃーーッ!


考え込む暇もなく、突如
湿原にウェディの悲鳴が轟いた。
なんだ、今度は何事だ!


『 たーすけてぇー!
  ぬかるみに足が!
  両足取られて動けない!
  カニが!カニが来るーッ!

『 何やってんだ、クソ雑魚ナメクジ!


悪態と共に、ツキモリが矢のように飛び出した。


( そうだな…難しく考える必要は
  無かったのかもしれんな。


世の中、エスタータのような、
頭が柔らかい人間ばかりじゃない。

プライドの高い人。責任感が強い人。
そして、優しい人。
背負い込んだ重い荷物を…
決して、他人に渡さない人達がいる。


ならば、そんな人の荷物を勝手に抜き取る、
コウリン王のようなお節介になれたら…


『 おい鬼!手ェ貸せ!
  コイツ重い!

『 あー!今サラッと
  酷い事を言いました!
  言いましたね!?

『 おっとすまん、今行く!


思考を打ち切って、暁の湿原を駆ける。
三人泥まみれは、多分避けられないだろうが…
ま、いつもの事か。


~~つづく~~

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