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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2023-03-18 22:19:24.0 2023-03-18 22:24:15.0テーマ:その他

空を目指して(17)(ver6.1までのネタバレ注意)

心域、白亜の王城での戦いは続く。


『 へえ…騎士崩れってかァ?
  面白い奴だなアンタ!

『 そりゃどうも!


腹に一撃『良いの』を貰ったはずの船長だったが、
後ずさりしながらも、おれの攻撃を躱し続けていた。相当辛いはずだが…何という根性と身のこなしだ。

だが、ここで情けをかけるワケにはいかない。
剣速を緩めず、一歩一歩追い詰めてゆく。


『 陸に置いとくにゃ惜しい野郎だ。
  どうよ、俺と一緒に海賊やらねーか?
  元騎士の海賊なんて、陰があって
  モテるんじゃねェ?へへっ!


口先でこちらのペースを乱すつもりだろうが…
その手は食わない。

( 逆に大技で一気にケリを着ける!

さとられぬ様、剣を持つ手に力を込め、
静かに闘気を集中させる。


『 それはありがたい申し出だが…!
  生憎おれは泳ぎが苦手だし…!
  船酔いするんだ…よッ!!


気合いの声と共に、おれは
闘気の力で剣速を飛躍的に高め、
瞬く間に四連斬を繰り出した。

流石にこれは躱し切れまい!

しかし…

考え甘く、おれの算段は簡単に覆されてしまう。
剣を振り抜いたは良いが、手応えがまるで無いのだ。
それどころか…目の前に居たはずの
船長の姿を見失った。
どうやら大技後の一瞬の隙が
仇となってしまったようだ。
奴にはまだ、神速で動くだけの余力があったのだ。


『 そうかい…そりゃ残念だ…


暗がりの城内に、船長の声だけが不気味に響く。


( どこだ…どこに消えた…?
  どこから来る…!?


柱の陰…オブジェの裏…
最大限、周りを警戒する。


…随分長く感じた数秒間の静寂の後。
事態は動いた。
ふと背後から、風を切る音が聞こえたのだ。

( ブーメラン!?

振り返り、反射的に剣で薙ぎ払う!
甲高い金属音を響かせながら、
ブーメランは床へと転がった。


( 次はどう来る?
  いや待て違う、コレは…!


囮…!

そう気づいた瞬間、振り抜いたままの剣に、
異様な重圧を感じた。

姿を現した船長が、凄い勢いで
我が剣に、体ごとぶつかって来たのだ。
急いで剣を引き戻そうとするも、
何かに引っかかって動かない!

見れば、船長の得物が替わっている!
あれは…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 刃折りの短剣 』!


狙いは剣、その物か!!

船長はニヤリと笑うとそのまま軽く跳躍し、
空中で器用に身を捻った。

たちまち剣が悲鳴を上げる。
いや、剣だけじゃ無い!

これほどの圧が掛かれば、
例え剣が折れなくとも
腕の骨を持って行かれる!?

たまらず、おれは剣を手放した。

船長はそのまま受け身を取って床に転がると、
素早く起き上がって剣を足蹴にし、
そのまま後方へと押しやる。


『 ちっ…綺麗に折ってやろうと思ったのによ。
  カンの良い野郎だ。
  だァが…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 形勢逆転だなァ…?


船長は、勝ち誇った笑みを浮かべた。

おれには鎧がある。
無手で戦えない事もないが…
流石にあれ程の男には通用しないか。

となると…切り札は一つ。
人相手に使いたくは無かったが…

おれもまた、不敵な笑いを返す。


『 そう思うかい?

『 おいおい、まだ切り札があるってか?
  勘弁してくれよォ?

『 取っておきだ。
  これを凌げばあんたの勝ちかもな。


…片手で女神の印を結び、
我が身に残る闘気を、光の力へと変換してゆく。


『 面白え。じゃあ俺も取っておきで
  相手してやるよ。


船長はそう言って、魔力を集中させ始めた。
意外にも、奴の切り札は呪文なのか…?
何にせよこちらに残された手は変わらない。
集中せねば。


『 名を聞いといてやるよ。
  俺はゲン。
  キャプテン・ゲンリュウだ。

『 ザラターン。

『 ザラたんか。覚えとくぜ。


それを最後に、ゲンは呪文の詠唱へと移った。
恐らくこれで、勝負が決まるだろう。
おれも最大限、光の力を高めてゆく。


静寂……そして。


力を高めた両者が、目を見開く!


『 グランド…!

『 いくゼェ!?メイルストロ…

『 ふんぬらーーーッ!!


『『  えっ? 』』


突然の、第三者の気合いの声と共に、
我が身はなんか…ネバネバしたものに
絡め取られた。

なんだコレ…『まだら蜘蛛糸』!?

敵の増援…!ではない。
見ればゲンも同じ様に拘束されている。
というか…その声は!!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 エスタータ…?
  それにツキモリ!
  無事で!
  てか、なんでおれまで…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 うるさーーいッ!! 』


~つづく~
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