目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}{{ optionalYear }}
    {{ entryTitle }}  {{ charaName }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}
    {{ charaName }}

ザラターンの冒険日誌

2023-11-25 22:40:44.0 2023-11-26 02:55:39.0テーマ:その他

折れた魔剣(17)(※ver6.4までのネタバレ注意)

首尾よく目的を果たしたおれ達は、
意気揚々と帰途についていた。


『 まっさか、只の ぬいぐるみが
  こんなでかい宝石に化けるなんてな。

『 わらしべ長者にも程があるな。
  ま、お陰で助かったが。


ツキモリが、綺麗な楕円形にカットされた
冥曜石を手に取り、眩しそうに目を細めながら
太陽にかざした。

真っ黒な宝石は、日に透かして尚
まばゆい輝きを放つ事無く…
全ての光を吸収せんばかりの、
曇りなき漆黒を保っている。


『 そういや昔、ガートのお姫様に
  流行りのぬいぐるみを買って来いと
  せがまれた事もあったっけ。

  深窓のご令嬢も、やっぱ市井の流行が
  気になるもんなのかね。

『 ばっかだなぁザラさんは。
  そうじゃないでしょー、あの顔は!


エスタータが人差し指を立てながら、
訳ありげに笑う。


『 あれは…アレだよ。
  レンダヒルズ族のマダムが、
  偶然食べたガタラ豚まんに
  どハマりする的な…

『 あー、そっちかあ!

『 お前らな…
  はぁ…まァ、ど~でもいいか…
  目的果たしたなら、さっさと帰ろうぜ。


おれ達のやり取りに、ツキモリが
うんざり顔で、いつものため息を吐くのだった。

と、その時…


『 おや、君は…!
  マルズ家に仕えていた、
  たしかツキモリ君、だったか?

『 !!


通りですれ違った一人の男性が、
急に振り返るなり、話しかけて来る。


『 この度は災難だったね。
  いや、君達使用人にとっては、
  逆に幸いだった、と言うべきか?

『 …?


…謎の男は、そのまま二言三言
ツキモリと短く言葉を交わすと、
こちらに会釈して去って行った。

会話の内容は良く聞き取れなかったが…


『 知り合いか…?

『 まあな…


☆   ☆    ☆   ☆   ☆


ツキモリはその後
背を向けたまま黙り込んでしまったので、

おれは二言目を話しかけあぐねて
エスタータに視線を送るが…
彼女も困惑しているのか、
心配そうな視線を返してきた。


…そのまま、長く感じたしばしの沈黙の後、
ツキモリは、ポツリポツリと呟きはじめる。


『 前、話した…
  僕が働いてた貴族の家、な。
  …ついこないだ『没落』したらしい。


『『  えっ  』』


…先ほどの男の話によると、どうやら
ツキモリの居た家の当主は…

アスバル王の新政策の下で、
重大な不正行為が明るみに出て
取り調べを受けている最中…

あろう事か王を亡き者にしようと
狼藉を働いて見事に失敗。
そのままお縄になったらしい。


『 絵に描いたような
  見事な悪者ムーブじゃねえか。
  ッたく…


その後、当主の嫡子も
王家の指導に逆らった為に追放され…
侍従の者達も散り散りになって、
家は取り潰しとなったのだそうだ。


『 ざまァねえぜ…ははは…!


皮肉に笑うツキモリだが…
顔が笑っている様には見えない。
実際は胸中、複雑なのだろう。


『 ツキモリ…

『 何だろうな。
  あのクソ野郎共が居なくなれば…
  もっとスッキリすると…
  そう思ってたんだけどな。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


…ツキモリのその気持ちは多分。
自分の出生を知らない あいつにとって…

どんな過酷な境遇だったにせよ、
己の育った家…

唯一の『故郷』と呼べる場所を
突然失ってしまった事。
それを無自覚のまま受け止めているせい、
なのかも知れない。


( 天涯孤独、か…


うなだれたまま、
黙り込んでしまったツキモリ。
今、おれにできる事は…


『 よっしゃッ!!

『『 わ!? 』』


急な大声に驚く二人。
文句を垂れるツキモリに構わず、おれは続けた。


『 マカイマカロン、寄って帰ろうぜ!
  おれの奢りだ!!

『 な、何だよ急に…!

  へっ、いいのかよ?
  言っとくけどあそこ、
  めちゃくちゃ高えぞ!

『 えっ…!?
  あ、あたりま、まえだ!
  お、お男に…二言はねえわよっ!!

『 おー、いいねザラさん漢だねえ!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 じゃあさ、男爵のお土産も買おう!
  皆で食べられるように沢山入ってるやつ!

『 えっ?

『 茶ァも買ってこうぜ。
  男爵が驚きそうなレアな奴な。

『 えっ?

『 ザラさん太っ腹!
  よっ、スイーツ侍ッ!


なんだ、スイーツ侍て。


『 す、スイーツとは…
  死ぬ事と見つけたりィィッ!!


財布の中身に別れを告げる覚悟を決めた
悲しきオーガの叫びが、
悪意の都の暗い空へとこだまする。


『 見つけてんじゃねえよ。
  会計済ますまでは強く生きろよ。


~つづく~
いいね! 17 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる