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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: 踊り子
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2024-03-16 10:54:30.0 2024-03-16 11:00:44.0テーマ:その他

天星(1)(※ver6範囲までのネタバレ注意)

『 いやー、最高だったよな!
『 おう、フェディーラさん差し入れの…!


…満天の星空に、酷く歪で不気味な月が浮かぶ。
ここは天星郷、神都フォーリオン。

男二人の何気ない会話が、
冒険者達が集い、元々賑やかな酒場の喧騒に、
ダメ押しの焚き木を添えている。


『 牛乳プリン!!


声の主の一人は何を隠そう、このおれ。
騎士くずれの冒険者、ザラターン。
強いて語るならば、
プリンは白いプリンが好みである。

そして、もう一人は…


『 珈琲ゼリーッ!!



『『 …あ“ !? 』』



☆   ☆   ☆ ☆    ☆   ☆


『 てめェザラたん…
  ふざけた事ぬかしてんじゃねェぞ…!
  俺ァ牛乳プリンなんて糞スイーツ、
  プリンだと認めねーよ?


この、ふざけた事をのたまいながら目クジラたてる
ウェディの名は、ゲンリュウ。
今回の、天星郷を巡る一連の冒険の途中で知り合った海賊である。

何の因果か…それとも、浪漫を追う者同士の必然か。奴もまた、この天星郷で
再会した冒険者の一人だった。


『 はあ!?



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ゲン、おれの牛乳プリンさんを侮辱すんのか?
  そっちこそ、ゼリーってのは
  基本フルーティであるべきだろ!?

『 あァ!?やンのかオラァァン!?
  珈琲ゼリーはそらもう最ッッ強よ!
  牛乳プリンなんてクソ雑魚相手にもなるか!
  いいぜ抜けよ表出ろやァァッ!!

『 望むところやらいでかァ!
  今日こそケリ着けたらァッ!!


多少の酒が入り、頭に血が上った野郎二人が
連れ立って酒場を出て行く。
その背中ごしに、なんだか聞き慣れた
嘆息が聞こえた気がした。


『 あいつら…ハナクソみたいな理由で
  喧嘩してんじゃねーよ…

『 いつもの事じゃん?
  なんだかんだ仲良しだよねぇあの二人。
  あっ、そこの唐揚げもらいっ♪



…さて、ジア・クトとの決戦も
最終局面を迎えている今。

おれ達冒険者が、何故こんな所で
燻っているのかと言うと…



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 英雄達以外は待機…だって!?

『 ああ。それが最善だと思っている。
  もどかしいだろうが、一時の辛抱だ。
  よろしく頼むよ。


…天星郷の長、
天使長ミトラーの考案した作戦。それは…


まず英雄達が敵の本拠地『魔眼の月』へと
秘密裏に潜入し、決戦兵器である主砲を無力化する。
その後で帰還した彼らを迎え、
このフォーリオンに集う全戦力で持って
総力戦を行う、というものだった。


魔眼の月の主砲…『魔眼砲』の威力は凄まじく、
一撃でも放たれようものなら、それだけで
アストルティアは壊滅的な被害を被る事になる。
それだけは、何としても阻止する必要があった。

失敗は絶対に許されない。
故に、結果として少数精鋭の英雄達に
作戦のほぼ全てを託すカタチとなったワケだ。


冒険者達の中には、その決定に不満を漏らす者も
少なくは無かったが…しかし。

おれには作戦考案者であるミトラー自身も、
どことなく悔しそうにしているようにも見えた。
奇抜なミラーグラスの、
その下の素顔を確かめる術は無いが。


( …己の判断一つで
  世界の命運が決まる、か。
  まあ、天使長以外の、
  誰にも指せない重い一手だよな…



…とにかく、すでに賽は投げられた。


おれ達は、今はただ、英雄達を信じて
待つ事しか出来ないと言う事だ。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


人気の無い広場に、剣戟の音が響く。


ゲンリュウ…ゲンとこうして手合わせするのは、
もう幾度目かになる。 


奴とは、お互いの価値観こそ認めれど、
性格や考え方については
全く『ソリが合わない』言うやつで…

でも年齢や冒険者としての実力は近く、
鍛錬の相手として見るなら最適だった。

ゆえに先程のように、
互いが何かと下らないイチャモンを付けては、
喧嘩よろしくの試合をしいてるのだった。


…何度か剣を打ち合い、
鍔迫り合いになった所で
ゲンがおもむろに語りかけてきた。


『 よう。ラダ・ガートと
  手合わせしたんだって?


~つづく~
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