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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2024-04-05 23:46:21.0 2024-04-06 14:08:21.0テーマ:その他

天星(間章)(※ver6範囲までのネタバレ注意)

天星郷、神都フォーリオンの一画に、
『回生堂』と呼ばれる、
主に英雄達が寝泊まりする為の宿泊施設がある。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


その建物の一室に、今はジア・クト念晶体の一個体が捕虜として監禁されていた。

捕虜の名は『ジア・ルーベ』。

まるで燃え盛る炎のような逆立った頭髪と、
磨かれた紅玉さながらの真紅の体を持つ、
少女のような体型をした念晶体…
(言わば鉱物生命体)である。

その真紅の体が示すとおり、
ルーベは【偉大なる原石】と称される
ジア・クトの中でも最上位とされる存在の一角で、
首魁である【ジア・レド・ゲノス】の
腹心でもあったのだが…

今は、主に利害関係の一致から、
一応は天星郷の協力者、という立場となっていた。


しかし…


『 どう言う事だ、ルーベ。


彼女を尋問する天使長ミトラーの声は、
いつに無く緊迫していた。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ジア・クトの一個師団が、
  ここ天星郷へ向かって
  進軍中だと言う情報が入った。

  『そんな非効率な事はしない』んじゃ
  なかったのかい?


以前、彼女から、
ジア・クトは白兵戦による総攻撃を予定していない
と言う解答を得ていただけに、
ミトラーは内心、焦っていた。

この期に及んで、ルーベが嘘を吐くとは思えないが…

『 ルーベが提供した情報に偽りはない。
  疑うのは勝手。
  でも徒労に終わると忠告する。


ミトラーの質問に淡々と答えたルーベだったが、
しばらくして、何かを思い出したように
ハッと顔を上げ、『しかし…』と付け足した。


『 一つ、失念していた。
  行動を予測できない『ひとかけら』が居るの、
  ジア・クトには。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆



『 【ジア・イロン】。
  おそらく そいつの独断によるもの。
  今回の、その進攻は。


聞き覚えの無い名前は出てきたものの、
ルーベの解答に、ミトラーはひとまず安心していた。
どうやら彼女が裏切り、こちらの行動を
ジア・クト側に捕捉されていたと言う
最悪のシナリオは免れたようだ。

英雄達の潜入作戦に、支障は出ていないはず。

となると、気になるのは…



『 ジア・イロン…?
  何者だい、そいつは?


『 厄介者。
  度々ゲノスの命令を無視して、
  好き勝手に行動するの。イロンは。


『 おいおい…ジア・クトでは、
  そんな奴を野放しにしているのか?


『 イロンは強い。
  輝きを持たないクズ石でありながら、
  ルーベ達、偉大なる原石と比べても
  遜色ない戦闘力を持っている。

  そこに戦略的価値を見出されているから。
  粛清されないのは。
  不本意だったけど。ルーベ達は。


『 …なるほど。ジア・イロンは
  『成り上がりの戦闘狂』
  と言ったところ、か。
  やれやれ、次から次へと…
  

…ミトラーの脳裏に、
以前、偉大なる原石の一角、ジア・ルミナに
遅れを取った、苦い記憶が蘇る。

あれに匹敵する脅威が、
再びここへ迫りつつあると言うのか。


眉間のミラーグラスを押さえて
ため息を吐くミトラーを見て、
ルーベはまるで鬼の首をとったような顔で
クスクスと笑った。


『 止められないかもね。
  主力を欠いた、今のアンタ達では。



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 そいつはどうかな?
  天星郷にはまだ、冒険者達がいる。


『 ボウケンシャ?
  強いの?それは。
  あのエックスとかいう個体より。


『 さーあて、どうかね?
  ただ一つ言えるのは…

  きっとお前達の定規じゃ、
  色々と測りきれない奴らさ。


精一杯の強がり。
自分にも言い聞かせるように、ミトラーは
肩をすくめ、シニカルに笑った。

それを見て、ルーベは不思議そうに
首を傾げるのだった。


『 理解不能…
  ふん、足掻くがいい。せいぜい。

『 ああ。
  そうさせて もらうとするよ。



~つづく~
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